風蓮湖流域の再生―川がつなぐ里・海・人

個数:

風蓮湖流域の再生―川がつなぐ里・海・人

  • 出版社からのお取り寄せとなります。
    入荷までにおよそ1~3週間程度かかります。
    ※商品によっては、品切れ等で入手できない場合がございます。
  • 出荷予定日とご注意事項
    ※上記を必ずご確認ください

    【出荷までの期間】
    ■通常、およそ1~3週間程度

    【ご注意事項】 ※必ずお読みください
    ◆上記期間よりも日数がかかる場合がございます。
    ◆お届け日のご指定は承っておりません。
    ◆品切れ・絶版等により入手できない場合がございます。
    ◆品切れ・絶版等の確認に2週間以上かかる場合がございます。
    ◆「帯」はお付けできない場合がございます。
    ◆画像の表紙や帯等は実物とは異なる場合があります。
    ◆特に表記のない限り特典はありません。
    ◆別冊解答などの付属品はお付けできない場合がございます。
  • 店舗受取サービスはご利用いただけません。

  • サイズ A5判/ページ数 268p/高さ 21cm
  • 商品コード 9784832982277
  • NDC分類 644
  • Cコード C3061

出版社内容情報

「流域の現状評価」「検討材料の提示」「住民意識の把握」を3本柱に据えて、森と川、森と農地、湿地と河口域の課題を多角的に解説。風蓮湖流域は、風蓮川を中心に4本の主要な流入河川からなり、根室市、別海町、浜中町、厚岸町にまたがる北海道有数の酪農地帯である。人口より遙かに多い乳牛がのどかに草を食む雄大な風景のなかにあって、風蓮湖流域は酪農業の進展によって河川の水質汚濁が顕在化するという問題を抱えている。本書は、「流域の現状評価」「検討材料の提示」「住民意識の把握」といった視点から、森と川、森と農地、湿地と河口域の課題について多角的に解説する。

はじめに



第1章 風蓮湖流入河川流域とは

1.流域の諸元

2.一次産業の興りと大規模酪農開発までの経過

3.風蓮湖流域における調査・研究の経過

4.根釧地方で進む流域連携の動き

5.本研究の視点



第2章 亜寒帯汽水湖(風蓮湖)の環境特性と低次生物生産過程の特徴

1.研究の背景

2.風蓮湖の概要および水理構造と水質・底質環境

水温および塩分の水平・鉛直分布 / 栄養塩およびクロロフィルaの時空間的変化 / 風蓮湖における降水量および潮汐と湖奥部の塩分の水平・鉛直分布の変動の関係 / 塩分を指標とした栄養塩およびクロロフィルaの挙動 / 粒状有機物とクロロフィルaとの関係 / 栄養塩が湖内の微細藻類の増殖に及ぼす影響 / 水柱および堆積物表層における微細藻類の生物量の比較

3.風蓮湖における微細藻類の出現特性と種組成の時空間変動

実験・調査の概要 / 実験期間を通した光量,栄養塩の変化と多様度指数の関係 / 調査時の優占種の遷移とその要因

4.風蓮湖の水柱・堆積物表層における基礎生産の定量化

実験時の試料の採取と分析,およびデータの取り扱い / 調査時の光量子密度の時空間変化 / 実験期間を通した水中の微細藻類の基礎生産速度 / 風蓮湖内の光環境の特徴とその時空間変動 / 水中の基礎生産速度の時空間変動とその要因

5.栄養塩の主要起源としての流入河川の評価

6.基礎生産量から評価するシジミ資源復活の可能性



第3章 陸水域?汽水域の溶存鉄の動きを追う

1.研究の背景

2.風蓮湖と風蓮湖流入河川の概要

3.河川と湖水の水質分析方法ならびに土地利用調査方法

水質調査 / 土地利用・土地被覆分類 / 土地の地下水位の調査

4.風蓮湖流入河川と風蓮湖の水質分析結果ならびに土地利用状況

河川水質調査 / 風蓮湖水質調査 / 土地利用・土地被覆分類

5.溶存鉄の起源と風蓮湖の基礎生産への寄与

河川水の溶存鉄濃度 / 風蓮湖流入河川が風蓮湖に輸送する溶存鉄・栄養塩フラックスの定量化 / 風蓮湖の水質に与える影響

6.ま と め



第4章 物質の環の再生

1.SWATモデルを用いて土地利用の変化にともなう窒素流出量を推定する

この節の目指すところ / SWATとは? / SWATを使うメリット / 調査対象地域の概要 / SWATへ投入するデータについて / 流出解析 / 現在の課題への対応

2.負荷軽減策としての「低投入型酪農経営」は効果的か?

北海道の酪農について / 道東における低投入型酪農 / 「マイペース酪農」実践農家における生産と物質循環 / 地域の新たな文化的景観として酪農地帯の再評価



第5章 地域住民の環の再生

1.流域の上下流における自然認識の差異

合意形成を阻む「視点」の違いはどこから? / アポなし突撃インタビューを敢行 / 住民はどんな言葉を使って「身近な自然」を語っている? / 酪農家の間でも地域単位で自然観が異なっていた / 「見方が違う」ことを互いに知ることが第一歩

2.「住民の目から見た」風蓮湖流域の環境

住民に「地域の生物相」を尋ねる/アンケートを配って歩く / アンケートに回答してくれた方の特徴 / 「生きもの知識」の今昔 / 自然体験は生きものの知識を反映しているか / 風蓮湖流域の環境保全に対する住民意識 / 知識は体験によって,保全意識は社会によって育まれる

3.風蓮湖流域の変遷と人々の暮らし

あらためて,風蓮湖流域の農業・漁業を概観する / 風蓮湖流域における物質動態と食料供給サービスの変遷 / これからの風蓮湖流域



第6章 座談会 風蓮湖流域のプロジェクトを振り返って

1.物質循環の再生を考える

溶存鉄の観測 / 風蓮湖側から見た陸域の印象/SWATモデルの善し悪し / マイペース酪農の実態を調査してみて / 風蓮湖流域の供給サービスの評価

2.地域住民の環の再生を考える

流域連携について / 川と地域住民の関わり / 大きな環(上流?下流)と小さな環(地域社会)の循環



用語解説

索  引

長坂 晶子[ナガサカ アキコ]
長坂 晶子
北海道大学大学院農学研究科博士課程中退
北海道立総合研究機構森林研究本部林業試験場
 森林環境部機能グループ研究主幹 農学博士(北海道大学)
第1章・第5章・第6章・用語解説執筆

石川 靖[イシカワ ヤスシ]
石川 靖
北海道大学大学院環境科学研究科修士課程修了
北海道立総合研究機構環境・地質研究本部環境科学研究センター
自然環境部生態系保全グループ主査
第3章執筆

柴沼 成一郎[シバヌマ セイイチロウ]
柴沼 成一郎
北海道大学大学院環境科学院博士課程単位取得退学
(有)シーベック取締役
第2章執筆

小路 敦[ショウジ アツシ]
小路 敦
北海道大学大学院環境科学研究科修士課程修了
農業・食品産業技術総合研究機構
 北海道農業研究センター酪農研究領域上級研究員
第4章第2節・第6章・用語解説執筆

白岩 孝行[シライワ タカユキ]
白岩 孝行
北海道大学大学院環境科学研究科博士課程中退
北海道大学低温科学研究所准教授 博士(環境科学)(北海道大学)
第3章・第6章・用語解説執筆

高宮 良樹[タカミヤ ヨシキ]
高宮 良樹
北海道大学大学院環境科学院修士課程修了
第3章執筆

辻 泰世[ツジ ヤスヨ]
辻 泰世
北海道大学大学院環境科学院博士課程修了
3月23日学位取得 博士(環境科学)(北海道大学)
第2章執筆

長坂 有[ナガサカ ユウ]
長坂 有
北海道大学大学院農学研究科修士課程修了
北海道立総合研究機構森林研究本部林業試験場森林環境部機能グループ主査
第5章執筆

三島 啓雄[ミシマ ヨシオ]
三島 啓雄
北海道大学大学院農学研究科博士課程中退
国立環境研究所准特別研究員
第4章第1節・第6章・用語解説執筆

門谷 茂[モンタニ シゲル]
門谷 茂
北海道大学大学院水産学研究科博士課程修了
北海道大学大学院水産科学研究院・環境科学院教授 水産学博士(北海道大学)
第2章執筆・第6章・用語解説執筆

目次

第1章 風蓮湖流入河川流域とは
第2章 亜寒帯汽水湖(風蓮湖)の環境特性と低次生物生産過程の特徴
第3章 陸水域―汽水域の溶存鉄の動きを追う
第4章 物質の環の再生
第5章 地域住民の環の再生
第6章 座談会 風蓮湖流域のプロジェクトを振り返って

著者等紹介

長坂晶子[ナガサカアキコ]
1995年北海道大学大学院農学研究科博士課程中退。現在、北海道立総合研究機構森林研究本部林業試験場森林環境部機能グループ研究主幹。農学博士(北海道大学)(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。