内容説明
柳宗悦の朝鮮のための「愛の仕事」、移植された桜、文化的欲望をかき立てる博覧会…、そこに引き起された闘争・贈与・受容・敗北・創造。複雑に織りなされた植民地の文化の力学について、本書はその織り目に、今日に至る朝鮮の人々の屈折した思いと心理を浮かび上がらせ、「民族の物語」からの転回を見透す。
目次
序章 民族主義を超えて
第1章 「白衣」の意味をめぐる闘争
第2章 光化門・ヘテをめぐる物語と柳宗悦
第3章 「朝鮮の美」をめぐる日本人の文化実践―柳宗悦、浅川伯教
第4章 “植民地の国花”と“帝国の国花”(1)―無窮花と桜、二つの国花の異なる運命
第5章 “植民地の国花”と“帝国の国花”(2)―朝鮮人の文化的欲望と伏流する民族主義
第6章 「植民地の博覧会」と朝鮮の言論―朝鮮副業品共進会・朝鮮博覧会
第7章 「ヨボ」という蔑称と「内鮮融和」
終章 「からまりあい重なりあう」経験・歴史
著者等紹介
権錫永[クォンソギョン]
1964年、韓国生まれ。北海道大学文学研究科博士課程修了(文学博士)。北海道大学大学院文学研究院教授。専攻は、韓国文化史・日本近代思想史(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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