目次
本書の問題設定とその意義
第1部 現代社会における排除(現代日本社会の実相;社会的排除と社会的包摂)
第2部 法教育という逆説(法教育の射程;社会システムが内包する排除性)
第3部 システム・信頼・属人性(社会的包摂と信頼―属人的信頼から制度的信頼へ;システム作動要因としての属人性;現代社会における「法」の応答性)
現代社会において「法」が果たす役割とは
著者等紹介
橋場典子[ハシバノリコ]
2014年北海道大学大学院法学研究科博士後期課程修了。博士(法学)。日本司法支援センター正職員、日本学術振興会特別研究員DC、北海道大学大学院法学研究科助教、日本学術振興会特別研究員PDを経て、成蹊大学法学部法律学科助教(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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ねお
14
何人にも一律・平等に権利を保障する形式的な法の存在と実際の法活用にはギャップがある。特に複数の社会資源から排除された脆弱性のある者は、法システムの存在自体知らず実質的には利用できない場合があり、その存在を知っていても心理的障壁から利用できないことが多い。法を制度的・構造的に充実させる中でこの現実に無自覚であると、制度利用できない場合に、制度を利用しないという現象のみを捉え、それを個人の選択という自己責任として切り捨てることになる。法がシステムであるが故に持つ排除性に対しては、属人的要素がその対抗策となる。2022/01/06