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出版社内容情報
●本書の特徴
アイヌの出自を持つ著者の「私」が、自己の存在を歴史化し、沈黙を構造化することで「サイレント・アイヌ」が生きる世界の一端を明らかにする。名もなき人びとが生きた歴史とはどのようなものであったのか、なぜ「私」の姿は人びとに見えないのか。家族史・自分史を紡ぎながら、マイノリティ等の声なき主体の問題を描き出す。
●版元から
*「第38回大平正芳記念賞<正賞>」受賞(2022年2月28日更新)
●目次
プロローグ──〈沈黙〉という問題領域(プロブレマティーク)
第1章 序 論──透明人間の声を聴く
1.本書の目的──「サイレント・アイヌ」の世界を/から問う
2.本書の構成
3.調査の概要
第2章 他者表象の死角と沈黙
1.ポストモダンの人類学とポストコロニアル論
2.サバルタン論
3.分類理論
第3章 自伝的民族誌(オートエスノグラフィー)の方法論
1.ライフヒストリーとライフストーリー
2.自伝的民族誌(オートエスノグラフィー)
3.中動態理論と当事者研究
第4章 家族史(ファミリーヒストリー)──もうひとつのポストコロニアル状況
1.つ る──アイヌプリから日本社会への編入
2.ツヤコ──〈日本人〉へ
3.イツ子──引き裂かれる自己
第5章 真 衣──「サイレント・アイヌ」の物語
1.出自に向き合う通過儀礼──〈分離〉
2.存在の透明化と声の喪失──〈過渡〉
3.混沌(カオス)を生きる──〈再統合〉
第6章 現代アイヌ民族概論
1.現代アイヌ民族を取り巻く状況
2.「アイヌ民族」の名づけと名乗り
3.20世紀初頭の「アイヌ民族」
4.第二次世界大戦後──「少数民族」から「先住民族」へ
5.自己表象の分析
第7章 結 論
1.「目覚めを待つもの」とdecolonization──脱植民地化
2.自伝的民族誌(オートエスノグラフィー)が照らす世界
3.サバルタンの生成論理
4.光と闇
エピローグ──〈沈黙〉という希望=創造=暴力
参照文献
謝辞(博士学位論文)
あとがき
事項索引
人名索引
●著者紹介
石原 真衣(イシハラ マイ)
1982年サッポロ生まれ。母方の祖母がアイヌ、父方の祖母は琴似屯田兵で会津藩士の出自。アメリカ留学を経て大学卒業後、英語教員として勤務。北海道大学大学院に進学し博士号取得。北海道大学アイヌ・先住民研究センター助教。文化人類学。
■主要論文
「「サイレント・アイヌ」を描く──〈沈黙〉を照らすオートエスノグラフィーの可能性」『北海道民族学会』、北海道民族学会、14巻、2018年、1-31頁
The Silent History of Ainu Liminars, Critical Asian Studies Special Issue; Hokkaidō 150:Settler Colonialism and Indigeneity in Modern Japan and Beyond, Vol. 51. No. 4, 2019, pp. 17-21
「われわれの憎悪とは──「140字の世界」によるカタストロフィと沈黙のパンデミック」杉田俊介・櫻井信栄・川村湊(編)『対抗言論 反ヘイトのための交差路1号:ヘイトの時代に対抗する』法政大学出版局、2019年、185-195頁
など
内容説明
まだ、語られたこともなく、気がつかれたこともなく、歴史にも、社会にも存在しない、私の痛みが、確かにそこにあった―。溢れ出る「不在の言葉」たち。
目次
プロローグ―“沈黙”という問題領域
第1章 序論―透明人間の声を聴く
第2章 他者表象の死角と沈黙
第3章 自伝的民族誌の方法論
第4章 家族史―もうひとつのポストコロニアル状況
第5章 真衣―「サイレント・アイヌ」の物語
第6章 現代アイヌ民族概論
第7章 結論
エピローグ―“沈黙”という希望=創造=暴力
著者等紹介
石原真衣[イシハラマイ]
1982年サッポロ生まれ。母方の祖母がアイヌ、父方の祖母は琴似屯田兵で会津藩士の出自。アメリカ留学を経て大学卒業後、英語教員として勤務。北海道大学大学院に進学し博士号取得。北海道大学アイヌ・先住民研究センター助教。文化人類学(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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