北海道大学スラブ・ユーラシア研究センタースラブ・ユーラシア叢
北西ユーラシアの歴史空間―前近代ロシアと周辺世界

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  • サイズ A5判/ページ数 342p/高さ 21cm
  • 商品コード 9784832968219
  • NDC分類 238
  • Cコード C3022

内容説明

史料論の立場から、新しい多様で豊かな北西ユーラシア史像を描き出す。前近代ロシア世界を、ロシアないしスラブの枠内ではなく、西アジア・地中海世界、中央ユーラシア、スカンディナヴィアなどの史料を通して論ずる意欲的試み。

目次

北西ユーラシア歴史空間の射程
第1部 異文化集団との接触(九世紀から一四世紀)(“総論”統一国家成立までのロシア;アラビア語史料に記録された北西ユーラシア世界―とくにイブン・ファドラーン『報告書』による;キエフ・ルーシ形成期の北西ユーラシア世界とスカンディナヴィア―ルーン石碑の検討を中心に;ロシア‐ビザンツ緩衝地帯の蛮族観について―一二世紀ビザンツ史書におけるペチェネーグを題材に;コンスタンティノーブルのストゥディオス修道院とルーシの修道士―正教文化の伝播について)
第2部 チンギス裔とオスマン朝からの視線(一五世紀から一七世紀)(“総論”「ロシア帝国」への道のり;一五世紀ジョチ朝とモスクワの相互認識―ロシア語訳テュルク語文書を中心に;ペルシア語・チャガタイ語諸史料に見えるモンゴル王統系譜とロシア;オスマン朝におけるヨーロッパ認識の伝統と革新―一七世紀中葉以前の北西ユーラシア観を中心に)
ロシア近現代史の視点から

著者等紹介

小澤実[オザワミノル]
所属:立教大学文学部准教授。専門分野:北欧中世史、西洋中世史

長縄宣博[ナガナワノリヒロ]
所属:北海道大学スラブ・ユーラシア研究センター准教授。専門分野:中央ユーラシア近現代史、ロシアのイスラーム(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー

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MUNEKAZ

17
北西ユーラシア(つまり現在のロシア西部)について、スカンディナビア諸国やビザンツ、アラブ、オスマン帝国などの周辺国家が、どのような認識を持っていたかを紹介する論集。どの地域から見ても「周縁」で、少ない史料からも雑な認識をされていたことが伺えるのだが、17世紀を境に評価が一変。モンゴルに支配された草原の国から、ヨーロッパの強国へと評価が改められたのがよくわかる。またどこから見ても周縁ということは、見方を変えれば民族や文明の交差点ということでもあり、絶えない地域紛争や対立の火種がここにあることも再確認。2022/09/04

竜王五代の人

3
北西ユーラシアという造語が示すものは、バルト海・黒海・ウラル山脈で囲まれた地域、つまりはロシアを、周囲から相対的に見つめる、あるいは逆に周囲を見る興味深い取り組みである。近代までのこの地域のような辺境の方は雑に見られるけど、辺境の方はビザンティンやイスラム帝国のような中心地を正確に掴んでいるという指摘は、個々の人間関係でもありそうな弱者あるあるだと思った。ジョチ・ウルス系諸国家の枠組みをロシアは掴んでいたけど、当事者に近いモンゴル系の家系図だと貴種というだけで誰がどの国の君主か分からんというのは面白い。2022/10/25

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