出版社内容情報
未知の「土地」へと、未知の「言語」への探検行を活写。「アームチェア言語学者」とは大いに違う「フィールド言語学者」の仕事ぶりが伝わる。
目次
第1章 未知の「土地」への探検行(コリャーク―町から村へ、村からツンドラへ;チュクチ―モンゴルからチュコトカへのはるかな旅)
第2章 未知の言語との遭遇(コリャーク語を調査する;チュクチ語を調査する)
第3章 知の「領域」への探検―言語人類学(コリャーク語;チュクチ語)
第4章 未知の領域への探検―理論研究とフィールド言語学(通底する個別言語研究と言語類型論;『言語構造の世界地図』 ほか)
終章 コリャーク語とチュクチ語の今そして未来(コリャーク語;チュクチ語の変容)
著者等紹介
呉人徳司[クレビトトクス]
1965年に中国内モンゴル自治区シリンゴル盟に生まれる。中国内モンゴル大学大学院修士課程修了(モンゴル語学専攻)、北海道大学大学院修士課程修了(言語学専攻)、京都大学大学院言語学専攻博士課程修了、東京外国語大学アジア・アフリカ言語文化研究所助手をへて、現在、准教授。博士(文学)(京都大学)
呉人惠[クレビトメグミ]
1957年に山梨県甲府市に生まれる。東京外国語大学大学院外国語学研究科修士課程修了(アジア第一言語専攻)、北海道大学文学部助手、富山大学人文学部助教授をへて、現在、富山大学人文学部教授。博士(文学)(北海道大学)(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
おとや
2
それぞれロシア極東部のコリャーク語とチュクチ語の研究者である呉人夫妻による、それぞれのフィールドでの体験や、言語調査の面白さ、難しさ、個別言語研究が言語学に貢献できることなどを比較的一般向けに平易に書いた本。とは言え、多少の言語学的知識があったほうが、より面白く読めるのは間違いない。呉人恵氏の前著で書かれている内容と、一部重複があるものの、本作はどちらかというと言語的記述が多めであり、知的好奇心を刺激された。2015/07/22
あすか
0
ツンドラ地域の少数言語コリャーク語・チュクチ語の研究。動詞の名詞化、魔除けのための名付け、属性叙述など、少数言語であっても諸言語との共通要素がある。そこから言語の普遍的な性質が分かることもある。 2021/09/22