内容説明
作庭術から近代ランドスケープへ、魅力的な風景を作り上げようとしてきた人類の努力は、経験や文化から科学へという素朴な進歩主義とされがちだ。しかし風景への感性は、文化や科学という枠組みを超えて、新しい表現の可能性を私たちに人類に開き続ける。本書はランドスケープデザイン、サウンドスケープデザインの考えを、デザインの現場から相対化し、文化人類学の視点から新たな風景論・文化論を提唱する。
目次
第1章 風景の魅力と文化人類学(オープンスペースと文化;科学技術への懐疑 ほか)
第2章 作られゆく魅力をどう捉えるか(空間をめざして;自覚されない文化をどう捉えるか ほか)
第3章 ランドスケープデザインにおける実践(デザイナーによる科学技術の再考;ランドスケープデザイナーたちの試行錯誤 ほか)
第4章 サウンドスケープデザインにおける実践(音による風景デザインの成り立ち;サウンドスケープデザイナーによる試行錯誤 ほか)
第5章 全体のまとめ(名付けえぬ魅力とデザイン;過程から見る風景 ほか)
著者等紹介
片桐保昭[カタギリヤスアキ]
北海道小樽市に生まれる。北海道大学水産学部、同大学院環境科学研究科修士課程修了後、建設コンサルタントに勤務、のち個人で造園、土木・都市計画設計に従事。また大学等で造園学、まちづくり、CGデザインを教える。その後北海道大学大学院文学研究科博士課程修了、博士(文学)。北海道大学専門研究員を経て現在(有)片桐仏壇店アトリエピアノ代表として宗教工芸、博物館展示やプロダクトデザイン、寺院境内、ランドスケープの計画設計を行う。研究分野は造園学、科学技術の人類学(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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