内容説明
「宗教的」な芸術があるとするならば、その根拠と可能性はどこに見出されるのか。ティリッヒの神学および宗教哲学において、「宗教的」な芸術は「究極的関心」の理念のもとに考察され、そこでは伝統的宗教的象徴の有無よりも、“to be or not to be”という煩悶への真摯で創造的な取組みが問われる。究極的な意味と存在の経験を表す芸術が「宗教的」なのであり、また自由と運命における「無言の啓示者」なのである。
目次
序論
第1章 ティリッヒと宗教芸術論
第2章 宗教芸術論の中心問題と具体的な作品の評価
第3章 宗教思想の枠組みと芸術論の根拠
第4章 キリスト論と表現主義
第5章 芸術表現と「愛」の概念
第6章 「聖なる空虚」としての教会建築
第7章 宗教芸術批判とキッチュの美学
終章
著者等紹介
石川明人[イシカワアキト]
1974年生まれ。2003年北海道大学大学院文学研究科博士後期課程単位取得退学。同年北海道大学大学院文学研究科助手。北海道大学大学院文学研究科助教。博士(文学)。専門は宗教学(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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