内容説明
印刷の道具でもあり、板株(版権)そのものでもあった板木―。その基本構造から当時の出版事情まで。板木や板本、出版記録を照合し、近世出版機構における根本装置としての板木の機能と役割を論じる、初めての「板木書誌学」の書。
目次
序章 研究資源としての板木
第1章 板木活用の意義と実践
第2章 板本の板木―その基本的構造
第3章 板本に表れる板木の構成―紙質・匡郭
第4章 出版記録から読み取れるもの―竹苞書楼の出版記録
第5章 近世出版における板木の役割―摺刷以外の板木の機能
第6章 池大雅『賞奇軒墨竹譜』の板木―初版から現在までを辿る
第7章 高野版の板木―奈良大学博物館所蔵板木を中心に
第8章 藤井文政堂所蔵享保十七年版「十巻章」の板木―袋綴じと粘葉装
終章 課題と展望
著者等紹介
金子貴昭[カネコタカアキ]
1976年、広島県生まれ。2010年、立命館大学大学院文学研究科人文学専攻日本文学専修博士課程後期課程修了。博士(文学)。日本学術振興会特別研究員、文部科学省グローバルCOEプログラム「日本文化デジタル・ヒューマニティーズ拠点」(立命館大学)ポストドクトラルフェローを経て、立命館大学衣笠総合研究機構ポストドクトラルフェロー、立命館大学・奈良大学非常勤講師(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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