内容説明
漢字文化圏に共有された儒学経典は、東アジアの知と思想の源泉をなしたテキストであるが、またその解釈史は、中国はもとより朝鮮・日本諸地域の固有の文化的コンテクストや政治経済体制に応じて多様に変容をとげ、新たな解釈と意味を獲得し、独自の「知」を形成していった。その過程を比較史的に論じることで、儒学経典の意義と東アジアの思想史を新たにとらえ返した、第一線の研究者による国際的共同論集。
目次
東アジアにおける儒家的経典の解釈と政治的権力の関係
東アジア海域交流から見る近世前期日本儒学の問題
近世における日中の「経世致用」観―朱舜水と貝原益軒を比較して
朝鮮儒学と徂徠学
朝鮮時代における経書の暗記・身体化・唄劇化の一面
江戸の思想史と『論語』
孔顔の楽しむ処と曾点の情趣
『論語』の政治概念及びその特色
仁と楽―『論語』中の楽論と現代東アジア学者の解釈
著者等紹介
黄俊傑[コウシュンケツ]
1946年、台湾高雄生まれ。台湾大学歴史学系卒業。ワシントン大学(シアトル)博士(歴史学)。現在、台湾大学歴史学系特聘教授・人文社会高等研究院院長。東亜儒学・歴史学専攻
辻本雅史[ツジモトマサシ]
1949年、愛媛県生まれ。京都大学文学部卒業。京都大学大学院教育学研究科博士課程修了。博士(文学)。現在、京都大学大学院教育学研究科教授。日本思想史・教育史専攻(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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