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内容説明
「日本における哲学の父」か「軍国主義の創始者」か。政治思想史的関心から総体的に捉え直すことで、二つの側面の複雑な関係性を解明し、近代的道徳意識と近代的秩序意識の相剋を描き出す。
目次
第1章 「平常社会」論としての軍事社会論
第2章 法秩序論
第3章 “君子の哲学”としての「功利主義」
第4章 宗教の再構成―「啓蒙」の戦略
補論1 「哲学」の発明
補論2 西周と荻生徂徠
補論3 道徳問題と「教育勅語」
おわりに―「法の治」における道徳の行方
著者等紹介
菅原光[スガワラヒカル]
1975年、岩手県盛岡市生まれ。立教大学法学部卒業。東京大学大学院総合文化研究科博士課程単位取得満期退学。博士(学術)。日本学術振興会特別研究員(PD)等を経て、専修大学法学部准教授。専攻は日本政治思想史(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
Yasuhiko
1
下のdenzさんのレビューが非常に的を射ていると思った。ただし、本の内容についてあえて付け加えれば、現代風の価値観にあわない部分(軍国主義に関連した働きがあったことなど)についての「いいわけ」がどうも邪魔。2012/04/13
denz
1
二世代前ぐらいまでの思想史研究は、明治期の思想家に儒学臭があればそれは否定的評価にしかならなかったが、近世思想の研究が進んだ現在ではそうしたものは「浅薄」とされる。本書も近世とのつながりの中でウェスタンインパクトをどう摂取したか。また旧来のものに頼ることができなくなった「革命」後の状況で秩序を維持するにはどうするかの苦闘が描かれる。文体の読みやすさが著者の力量を逆に強固なものであることを示した作品。2011/03/09
メルセ・ひすい
1
13-51 赤11 Dr.論文 明治期の士大夫・政府高官 日本哲学の父 朱子学 徂徠学の権威 西洋近代用語の発明⇒★哲学・理性・原理・主観・意識・概念・帰納・・・・彼の造語なのだ・津和野藩出身で森鴎外の擁護者。「啓蒙的知識人」と「軍国主義者」という側面とに分裂した従来の西周像に挑戦。政治思想史的関心から総体的に捉え直すことで、2つの側面の複雑な関係性を解明し、近世的道徳意識と近代的秩序意識の相剋を描き出す。 2010/03/23
鵜殿篤
0
ところどころ、あまり感心しないところがあった。主に近世との連続についての詰めが甘い気がする。具体的には、井上毅の教育勅語に対する姿勢について、など。そんな単純じゃないはずだ。