内容説明
1992年の市場統合の完成、EUの成立、経済通貨同盟の発足に伴うECBによる金融政策の実施、単一通貨の発行、そしてEUの中東欧への拡大はEU経済成長への起爆剤となっているが、同時に域内での経済格差が拡大し、金融、財政制度の脆弱性を露呈している。本書は欧州委員会、各国政府、EU市民間での政策決定メカニズムなど重要課題を指摘・提言する。
目次
序章 ヨーロッパ経済統合の道程とその問題点
第1章 戦後西ドイツの欧州経済統合観とオルド自由主義―ローマ条約交渉における政府内議論を手掛かりに1953‐1956
第2章 欧州中央銀行(ECB)の非伝統的金融政策とその実効性について―金融市場の分断と銀行統合
第3章 EU域内貿易、生産要素(資本、労働)移動の推移と現状
第4章 経済統合とEUにおける経済格差
第5章 ポーランドのEU加盟と経済発展の内実
第6章 EUにおける多様性とスウェーデン
第7章 EUの経済・財政ガバナンスとフィンランドにおける構造改革―フィンランドにおける地方行財政改革を中心に
著者等紹介
鈴木利大[スズキトシオ]
1950年東京生まれ。1979年明治大学大学院博士後期課程単位取得。1979年明治大学政治経済学部専任助手。1980年専任講師、1984年専任助教授。1987年ミネソタ大学経済学部客員教員。1990年明治大学政治経済学部専任教授(2020年退職)、2020年明治大学名誉教授(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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