内容説明
組織の理論研究では、パラダイム(paradigm)と同様にメタファー(metaphor)という用語がよく使用されるようになった。メタファーとは暗喩のことである。本書では、組織のメタファーをボールディング(Boulding,K.)のシステムの複雑性のモデルに当てはめて、これまでの組織の理論をわかりやすく説明している。読者の皆さんには、本書を読んで少しでも組織論に興味を持ってもらえることを願っている。
目次
組織のメタファーと組織モデル
地図としての組織
時計としての組織
アクアリウムとしての組織
船としての組織
コンピュータとしての組織
蝶としての組織―組織の成長モデル
電話としての組織
脳としての組織
文化としての組織
劇場としての組織
ジャズバンドとしての組織
議会としての組織
道場としての組織―伝統と文化としての知識の継承
多様化する組織 コンフィギュレーションとこれからの組織の展開―神の数式のメタファー
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
kentake
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人間社会は様々な組織から成り立っている。我々を取り巻く組織については、組織行動論や組織文化論と言った学術的な分野から、組織運営の実務に根ざした分野まで、様々な視点から研究がなされている。 本書はそのような組織研究の全体像を理解するため、様々なメタファー(喩え)を用いて多くの理論や学説を分類し、解説を加えている。素人には難解な部分も多いが、理解する手がかりが得られそうなメタファーも多い。 脳のメタファーを用いた組織学習論や、ジャズバンドのメタファーを用いた組織化理論やセンスメーキング理論の解釈は分かり易い。2022/07/29