出版社内容情報
藤壺宮・紫の上・宇治のおんなぎみを中心に源氏物語の表現を解明、人間の心理を追及した新鮮な感興をそそられる文芸論。新たに「横川の僧都」1章を増補す。 はなわ新書7
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
Ayako Moroi
1
博士論文の序章を書くにあたり、文学作品における女房の役割について論じた「侍女たち」を確認するために再読。当時の貴婦人は侍女に囲まれて自分の時間など持てないものであった。優れた女房がいることは、その女主人の魅力を増すものであったし、逆も然りである。『源氏物語』の秘密の恋愛事件は乳母子の存在なしには成立しないものであったし、乳母が求婚の仲立ちとしての役割を果す場面も多い。また、若い女房と年輩の女房について、前者がロマンチスト、後者が現実的であり、それが物語展開に影響を及ぼしている点を指摘している。2015/03/06
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