内容説明
アキレスは亀に追いつけない、飛ぶ矢は止まっている…ギリシャの哲人ゼノンが唱えた不条理なパラドックスに挑む科学者たちの不屈の闘い。アリストテレス、ニュートン、アインシュタインらによって2000年以上の長きにわたって取り組まれてきた謎が、どのようにしてわれわれに、深遠な、それでいて実に奇妙な宇宙の見方を与えたのか?絶妙な語り口で伝えられた魅惑的な物語。
目次
第1部 ざわざわとした不条理(運動の逆説を語る前に;アテネへ ほか)
第2部 ゼノン、ルネサンスを生き延びる(速さが量となる;ガリレオ・ガリレイ―近代科学の父 ほか)
第3部 ゼノン、時の砂に埋もれる(止まって動く―時間と時計;デカルト、そしてxとyの魔術 ほか)
第4部 ざわざわとした不条理ふたたび(光の速さ;アインシュタインの時空革命 ほか)
著者等紹介
メイザー,ジョセフ[メイザー,ジョセフ][Mazur,Joseph]
1942年ブロンクスに生まれる。マルボロ・カレッジ数学科教授。数学のみならず、その歴史や哲学についても講義している。2006年グッゲンハイム・フェロー
松浦俊輔[マツウラシュンスケ]
名古屋工業大学助教授を経て翻訳家。名古屋学芸大学非常勤講師(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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takao
1
ふむ2022/05/08
田蛙澄
1
『ゼノンのパラドックス』というタイトルにはなっているが、原題の『運動のパラドックス』でも良かったのではと思う。ゼノンのパラドックスが中心的に扱われるのは最初の方で、あとは如何に運動を解明し、世界や空間を理解するかについての物理学的な試みの歴史と言った感じで、アリストテレスや中世の自然哲学者、ガリレオ、ケプラー、ニュートン、デカルト、マクスウェル、アインシュタイン、ハイゼルベルクとお馴染の科学者たちとともに運動や空間、時間、次元の捉えられ方の変遷がひも理論まで続く。哲学的な内容を期待してたがこれはこれで良書2017/03/11
haruka7
1
パラドクシカルなゼノンの論証を解説、考察する本です。「それらが導く結論はいかにも非現実的であるにもかかわらず、結論を導く論証過程自体は正しそうに見える」というゼノンのパラドックスを非常によく扱った書籍でした。2013/10/07
のぞみ
1
原著で読んだ方が読みやすいような論理展開。連続と離散、次元、哲学にまで踏み込んだ考察は面白かった。2011/03/21
たー
1
ゼノンのパラドックスを基点に物理学の発展の歴史をまとめている。あまり読みやすいとは言えないのが原文のせいか訳文のせいか分からないが、面白くはあると思う。2009/04/19