ビジネスモデルエクセレンス―ハイアールはなぜ白物家電の王者になれたのか

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ビジネスモデルエクセレンス―ハイアールはなぜ白物家電の王者になれたのか

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  • サイズ B6判/ページ数 353p/高さ 19cm
  • 商品コード 9784822250584
  • NDC分類 545.88
  • Cコード C0034

出版社内容情報

青島の破綻した冷蔵庫工場が、世界一の家電メーカーになれた秘密を、世界最高峰ビジネススクール教授がMBA流に解き明かす。

"成功した実績のあるビジネスモデルを実践しつつ、同時に未来のために新しいビジネスモデルを生み出せるような組織構造の構築に成功した企業は数少ない。ハイアールが見事な能力を発揮してみせたのは、まさにそこだ。ハイアールはその継続的な組織改革の文化によって、未来の困難にも立ち向かう備えが十分できているようだ。" 『ビジネスモデルジェネレーション』著者、アレックス・オスターワルダー (本書序文より)
 本書は、変革についての本だ。ビジネスモデルと企業文化をわずか30年の間に一度ならず少なくとも三度、再構築した企業の物語だ。組織をうまく変えられる企業は繁栄するし、それができない企業は破滅の危機を迎える。GEのジャック・ウェルチが「(組織の)外での変化の速度が組織内の変化の速度を上回ったとき、終わりが見えてくる」と言ったのは有名な話だ。そうは言っても、変わるというのは簡単にできることではない。
 ハイアールの源流は、1920年青島に建設された冷蔵庫工場。1949年中華人民共和国が樹立されると、その工場は当局が管理する工場になった。低品質と労働意欲の低さで知られていたその工場は、1984年に張瑞敏(チャン・ルエミン)という若い役人の指揮下に置かれ、新たな経営手法の実験場となり、その後劇的な成長を遂げる。今では冷蔵庫、エアコン、洗濯機などの白物家電で世界シェア1位となり、今では携帯電話やネットワーク機器も製造するようになっている。ハイアールが既存の世界的大手企業との厳しい競争の中でこれだけの偉業を、しかも短期間でどうやって成し遂げたか、そしてハイアールが実践したビジネスモデル改革の力がどんなものだったかが、本書の核心部分だ。ピーター・ドラッカーは、1997年に「私たちが組織について持っていた考えを1980年代前半に日本の産業が根本的に変えたのと同じように、これからは中国が斬新な経営手法の源となるだろう」と予言した。本書には、ドラッカーが述べていた中国企業からの教訓がちりばめられている。

第1章 時代に合わせて会社を変える
第2章 戦場
第3章 ハイアールの歴史と企業文化の変遷
第4章 才能を解き放つ    
第5章 21世紀の企業文化を構築する
第6章 高収益の源泉
第7章 真のハイブリッド─戦略的に俊敏な組織のつくり方  
第8章 真の破壊者─受け入れた変化を価値創造にどう生かすか

【著者紹介】
米国オレゴン州立大学農学部卒。小学校時代の4年間を東アフリカのケニアで、大学卒業後の2年間を青年海外協力隊員として西アフリカのセネガルで過ごす。訳書に『フェアトレードのおかしな真実』『世界で生きる力』『世界を変える教室』『私は、走ろうと決めた。』(英治出版)などがある。

内容説明

不良冷蔵庫76台をハンマーで叩き壊した時からハイアールの自己破壊と創造の歴史が始まった。顧客との距離を限りなくゼロにする最先端ビジネスモデルをMBA流に徹底解剖。

目次

第1章 時代に合わせて会社を変える―ハイアールがなぜ特別なのか
第2章 戦場―欧米と中国の家電業界
第3章 ハイアールの歴史と企業文化の変遷
第4章 才能を解き放つ―起業家精神を開拓する
第5章 21世紀の企業文化を構築する
第6章 高収益の源泉
第7章 真のハイブリッド―戦略的に俊敏な組織のつくり方
第8章 真の破壊者―変化を受け入れ、価値を創造する方法とは

著者等紹介

フィッシャー,ビル[フィッシャー,ビル] [Fischer,Bill]
スイスのビジネススクール・IMD教授。専門はイノベーション・マネジメント。上海の中欧国際工商学院(CEIBS)学長、ノースカロライナ大学チャペルヒル校ケナン=フラグラー・ビジネススクールのドルトン・L・マクマイケル特別教授などを歴任。IMDではイノベーションに特化した短期公開研修「Driving Strategic Innovation」のディレクターを務める

ラーゴ,ウンベルト[ラーゴ,ウンベルト] [Lago,Umberto]
イタリア・ボローニャ大学経営学准教授。これまでに(ときには並行して)大学教授、民間・公的組織経営者、起業家、コンサルタントなどとしても活動。欧州サッカー連盟(UEFA)クラブ・ファイナンシャル・コントロール機関の一員でもある

リュウ,ファン[リュウ,ファン] [Liu,Fang]
IMD研究員。研究内容は経営イノベーション、マーケティング、グローバルビジネスなど

松本裕[マツモトユウ]
米国オレゴン州立大学卒(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

5 よういち

83
中国のハイアールは世界的な家電メーカーだ。同社はビジネスモデルを変え、組織文化を壊し、作り替えるという改革を行ってきた。◆ブランド構築→多様化→業務と組織の自由度向上→顧客との距離をゼロにし、顧客其々に合った製品やサービスを提供→社内に独立した事業ユニットZZZJYTを設立◆改革テーマ➀最高の顧客サービスの提供、②物理的・文化的に顧客との距離をゼロ、③社員に起業家精神の根付け、④イノベーションを起こす自由度と修正行動を取る管理の両立、⑤組織の目標や報酬のルール作り、⑥顧客の満足は関与した従業員に報酬で還元2019/05/08

かんちゃん

23
今や世界的な家電メーカー海爾。爆発的な成長の陰にあるのは変化対応の速さだ。本書は丹念なヒアリングから海爾の組織管理手法を解説している。その大半はありふれたものだ。日本企業との違いを挙げれば次の3つだろう。①極端な成果主義。褒賞か解雇かの二者択一は出世欲の強い中国人の野心をかきたてる。②ZZJYTと呼ばれる事業単位(或いは専門スタッフ)が同じ企業の部門間にも関わらず、取引契約関係で結びついている。③海爾の売上の9割を占める巨大な中国市場に支えられた資金力。中国政府との濃密な関係は海爾の立ち位置を盤石にする。2017/04/26

☆ツイテル☆

2
フライヤー2021/10/05

かわチラ

1
コモディティ化が進み差別化が難しい『白物家電業界』、かつ『中国企業』という中にあって、『顧客との距離をゼロにする』という理念を基にメーカーから顧客サービス企業へ転換するために、いかにして全社を挙げて取り組んでいるか。戦略を実現するために、組織の在り方や組織文化の変革を『仕組み』として組織に埋め込んでいく過程が分かりやすく解説されている。 上記のようにイノベーションを起こしづらい環境にあって急成長を続ける企業の成功事例として、大変参考になる。2015/01/04

Shohei

0
ハイアールは人材が強い。ZZYYTというバーチャル上での20名程度で構成されたプロジェクト運営方法、管理部門以外をプロジェクトが必要な採用や不採用など全て個人の集合体で事業をしている。専門的な知識や経験が必要であれば違うZZYYTと予算などをすり合わせてプロジェトを進める。従業員の起業家精神をうまく活用している事例。2015/10/15

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