出版社内容情報
15世紀フィレンツェに創設された、インノチェンティ捨児養育院の例外的に豊かな史料をもとに、捨児たちの運命から家族や乳母の姿、転換期における都市社会と慈善、農村に支えられた里子システムまでを解明、数量分析と記述史料の丹念な分析により捨児養育院の全体像を浮かび上がらせる。
目次
第1章 インノチェンティ捨児養育院の誕生(慈善施設をめぐる諸研究と中世イタリアにおける捨児施設;都市国家と慈善 ほか)
第2章 捨児(一五世紀のフィレンツェとトスカーナ地方の捨児に関する諸研究;嬰児遺棄の方法 ほか)
第3章 乳母(乳母による授乳の慣習;里子向けの乳母とその出自 ほか)
第4章 里子の養育と都市=農村関係(里子の養育と都市=農村関係;トスカーナ地方の農村社会 ほか)
第5章 養育院のこどもたち(一四‐一五世紀イタリアのこどもたち;こどもの命名 ほか)
補論 一六世紀以降のインノチェンティ捨児養育院
著者等紹介
高橋友子[タカハシトモコ]
1957年京都市に生まれる。2001年『捨児たちのルネッサンス―15世紀イタリアの捨児養育院と都市・農村』によりマルコ・ポーロ賞を受賞。元神戸女学院大学文学部教授(2007年逝去)(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。