内容説明
なぜ歴史をめぐって国どうしが争うのか。世界各地で歴史はどのように教えられてきたのか。歴史家と教育学者の共同作業により、自国史と世界史との関係を軸に、四つの地域の現在にいたる「歴史教育」の歴史を跡づけ、歴史とは何か、教育とは何かを問い直す、未曾有の試み。
目次
序章 歴史教育を比較史する
第1章 中国(1)―史学から俯瞰する
第2章 中国(2)―共和国の歴史教育:革命と愛国の行方
第3章 オスマン帝国/トルコ共和国―「われわれの世界史」の希求:万国史・イスラム史・トルコ史のはざまで
第4章 ドイツ―果たされない統一
第5章 アメリカ合衆国―近代から始まった国として
終章 歴史教育学の展望
著者等紹介
近藤孝弘[コンドウタカヒロ]
早稲田大学教育・総合科学学術院教授。博士(教育学)。1963年生まれ。専門は政治・歴史教育の比較研究(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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@sushi suzuki
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中、土、独、米の歴史教育史について、とりわけ自国史と世界史教育の観点から比較する。全体を見ての感想は、歴史教育ひとつとって時の権力者による政治的意味を多分に含むものであるということ。先進的と言われているドイツでさえ、連邦ごとに異なる教育や世界史がエリート教育のみにされていた事実がある。現役当時、同年代に比して成績が良かった自負があるが、改めて自分の受けた歴史教育を批判的に見てみたいと思った。 発展途上である教育学と歴史学の発展に期待したい。そして日本の歴史教育を外国からの観点で見てみたい。2021/02/14