内容説明
ペリーはまず沖縄にやって来た。19世紀、次々と現れる列強の要求にさらされ、「鎖国」の防波堤とされた琉球の人々。いかに対応したのか。幕府や薩摩藩の姿勢は?東アジアの変動のなか、外圧と内圧の狭間におかれた“境域”の経験から、琉球と欧米との交渉過程を初めてトータルに描く。浦賀中心では見えない、新たな開国史。
目次
第1部 布教の戦場(フランス船の来航;宣教師たちの滞留;薩摩藩による琉球守備兵派遣の偽装工作;布教をめぐる攻防;ベッテルハイムの処遇問題と英国船艦長の首里城入城)
第2部 ペリーの来航(新たな来訪者ペリー;提督不在の琉球;琉米条約と新たな国際関係;サーベルの下で結ばれた琉仏条約;島津斉彬の構想と琉蘭条約;王府の内部抗争の展開)
著者等紹介
上原兼善[ウエハラケンゼン]
1944年沖縄県に生まれる。1974年九州大学大学院文学研究科博士課程後期歴史学専攻中退。現在、岡山大学名誉教授、博士(文学)。主著『近世琉球貿易史の研究』(岩田書院、2016年、日経・経済図書文化賞/角川源義賞/徳川賞)ほか(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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