内容説明
歴史と宗教のあしもとで。「怪力乱神を語らぬ」儒教の国にあって、怪異はなぜ、いかにして志されるようになったのか。『今昔物語集』等にも影響を与えた古代中国の「志怪」について、史書の伝統や仏教伝来との関係を軸に、社会的文脈から生成過程、文体まで、初めてトータルに捉え、中国人の精神のかたちを逆照射する。
目次
六朝志怪と怪異の歴史記録
第1部 史の伝統の中で(志怪の文脈―歴史書の拡大と変異の記録;志怪の系譜―五行志との関わりを手掛かりに;志怪の怪)
第2部 仏教を受け止めて(志怪における僧侶―新たなる怪異との邂逅;仏教志怪の系譜―応験記との関わりを手掛かりに;冥界遊行の仏教化)
中国「小説」史への吸収
著者等紹介
佐野誠子[サノセイコ]
1974年神奈川県横浜市に生まれる。東京大学人文社会系研究科アジア文化研究専攻修了、博士(文学)。京都大学人文科学研究所助手などを経て、名古屋大学大学院人文学研究科准教授(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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