内容説明
江戸の裁きにおいて、罰せられるべき者はいかにして決まったのか。具体的な判例から江戸期固有の法理を探り出し、西洋法を規範とする刑法理解を塗り替えるとともに、幕政を基礎づけた統治原則をも浮き彫りにする。今日におよぶ日本人の法観念への新たな理解を開く力作。
目次
徳川幕府刑法の形成
第1部 犯罪行為とその責任(身分責任としての不念―過失と不作為を包含するもの;怪我とはなにか―望まぬ結果についての責任)
第2部 集団と個人の責任―共犯の諸問題(首と従としての頭取と同類;頭取のいない共犯関係―「共同正犯的処分方式」の再検討;下手人は誰か―人殺の特殊性と共犯)
第3部 問われる被害者(人殺と被害者の身分責任;盗・巧事と被害者のあるべき姿;密通と男女のあるべき姿)
近世から近代へ―固有法理とそのゆくえ
著者等紹介
代田清嗣[シロタセイシ]
1989年静岡県に生まれる。2012年名古屋大学法学部卒業。2017年名古屋大学大学院法学研究科博士後期課程修了。現在、名城大学法学部准教授、博士(法学)(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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