内容説明
日中戦争には、抗日と同時に、占領地における協力の側面もあった。しかし多様な協力者たちは戦後、厳しく糾弾され、その歴史も未完の政治構想とともに葬り去られた。本書はこの影の側面に光を当て、戦争を総合的に捉えるとともに、占領から始まった戦後日本に鋭い眼差しを投げかける。
目次
緒論
第1部 様々な政治構想―日中戦争勃発前後(「冀東」の構想―殷汝耕と池宗墨をめぐって;張鳴の「五族解放」「大漢国」論;呉佩孚擁立工作と日支民族会議 ほか)
第2部 現実的な選択へ―日中戦争下の占領地政権(中華民国維新政府指導層の時局観;袁殊と興亜建国運動―汪精衛政権成立前後の占領地の動向;占領地と憲政―汪精衛政権の憲政実施構想 ほか)
第3部 日本敗北の中で―日米開戦から戦後へ(日中道義問答―日米開戦後の占領地中国知識人;日中戦争末期の“中国人の代辯者”吉田東祐;戦前戦後を越える思想―政論家としての胡蘭成 ほか)
著者等紹介
関智英[セキトモヒデ]
1977年福岡県に生まれ、千葉県で育つ。2001年東京大学文学部卒業。2011年東京大学大学院人文社会系研究科博士課程満期退学。日本学術振興会特別研究員(PD)を経て、公益財団法人東洋文庫奨励研究員、博士(文学)(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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