内容説明
ワシントン、ハバナ、そしてマイアミ。衝撃はキューバ危機だけではなかった。移民とその社会が生みだす三つ巴のダイナミズムを捉え、グローバルな冷戦の現場と、アメリカ、キューバの国内政治の連関を、アクセス困難な史料から鮮やかに描きだした俊英の力作。
目次
序章
第1章 革命と反革命―ワシントン、ハバナ、マイアミの三角関係
第2章 暴力の遺産―米・キューバ関係とカリブ海のテロリズム
第3章 対話の機会―ジミー・カーターとフィデル・カストロ
第4章 危機の年―移民管理をめぐる米・キューバの外交闘争
第5章 反転攻勢―レーガンの登場と反革命の「アメリカ」化
第6章 共存と対立―移民交渉とラジオ・マルティが意味するもの
第7章 膠着の継続―冷戦終結と反革命勢力の政治的台頭
終章
著者等紹介
上英明[カミヒデアキ]
1984年生まれ。2008年東京大学教養学部卒業。2010年東京大学大学院総合文化研究科修士課程修了。2015年オハイオ州立大学学術大学院博士課程修了。現在、神奈川大学外国語学部准教授、Ph.D.(歴史学)(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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BLACK無糖好き
19
冷戦期の米・キューバ関係を、ワシントン、ハバナ、マイアミの三つの視点から分析。二国間の対立に移民が多大な影響を与えてきた事がよくわかる。中でも全米キューバ系米国人財団のホルヘ・マス・カノーサの存在が大きい。米国の外交政策にも影響を与えてきた。◇六年前にマイアミのリトルハバナを訪れた際、「最近はホンジュラスからの移民が増えている」との話を聞いた。移民の多様化や世代交代が、現地の政治力学に変化を及ぼしているかはわからないが、亡命者がキューバで暮らす人たちに寄せる思いは、時を経ても変わる事はないであろう。2020/04/01