内容説明
ユートピアでもなくアルカディアでもなく、東アジアの人びとの根源的な夢想と願望に根ざして作り上げられた、平和の小世界。古代中国に発し、詩的トポスとして幾多の詩文や絵画を生み出してきた「桃源郷」の系譜を、現代の日本に掬いとるライフワーク。
目次
1 桃源郷の詩的空間(トポスとしての桃源郷;異郷への橋がかり;平和の小共同体;桃源における交歓 ほか)
2 桃源郷の系譜(中国詩画における桃源郷;日本詩画における桃源のトポス)
3 桃源回廊(悲劇の桃源画巻―李朝安堅作『夢遊桃源図』;春風駘蕩の田園風景―清朝査士標の名品;泉湧くほとりの不思議―上田秋成のメルヘン『背振翁伝』;桃源小説としての『草枕』―松岡映丘一門によるその解釈 ほか)
著者等紹介
芳賀徹[ハガトオル]
1931年生まれ。文学博士。東京大学・国際日本文化研究センター名誉教授、京都造形芸術大学名誉学長、元岡崎市美術博物館・静岡県立美術館館長、日本藝術院会員。著書『平賀源内』(朝日新聞社、1981年、サントリー学芸賞)『絵画の領分』(朝日新聞社、1984年、大佛次郎賞)『藝術の国日本 画文交響』(角川学芸出版、2010年、蓮如賞)『文明としての徳川日本』(筑摩書房、2017年、恩賜賞、日本藝術院賞)ほか多数(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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