内容説明
シネマを観る「数」としてのみならず、社会と多様な関係を結ぶ観客のあり様を、大正期から現在まで、民衆・国民・民族・大衆・市民をめぐる言説に注目することで、変容する政治やメディア環境との交渉のうちに浮かび上がらせた、映画観客の100年史。
目次
第1部 民衆(社会主体のはじまり―民衆娯楽・社会教育による「民衆」と映画観客)
第2部 国民(総力戦とトランスメディア的消費文化―「国民」の再定義と矛盾をめぐって;「国民」への動員―映画観客と総力戦、そして戦後)
第3部 東亜民族(「東亜民族」の創造/想像―帝国日本のファンタジーと映画による動員)
第4部 大衆(テレビと原子力の時代への「大衆」ポリティクス―大衆社会論、大衆文化論、マス・コミュニケーション論;民主としての「大衆」―テレビによるトランスメディア的消費文化の再編と映画観客)
第5部 市民(脆弱な主体としての「市民」―戦後とリスクの時代の個人化とネットワーク化;「市民」の多孔的親密‐公共圏―自主上映会とソーシャル・メディアのトランスメディア的社会運動 ほか)
著者等紹介
藤木秀朗[フジキヒデアキ]
ウィスコンシン大学マディソン校PhD。ハーバード・イェンチン研究所客員研究員(2006~07年)、ウォリック大学映画テレビ研究学科客員教授(2014年)などを経て、名古屋大学大学院人文学研究科・映像学分野・専門/超域文化社会センター教授(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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