内容説明
第二次世界大戦前、中英の協力により一大展覧会が開かれた。様々な出版や外交を伴い東西文化交流の転換点となったイベントを軸に、日本の影響深いウェイリーらの研究から、在英中国知識人の活動、パール・バックの後押しした林語堂の傑作まで、中国芸術とは何かを問いかける力作。
目次
「中国芸術」というユートピア
第1部 ロンドン国際展と「中国芸術」(ロンドン国際展と「中国芸術」へのアプローチ;二人の英国人東洋学者―ローレンス・ビニヨンとアーサー・ウェイリー;「西洋の眼」と「日本の眼」―ビニヨンの中国絵画理解と日本 ほか)
第2部 ロンドン国際展と近代中国知識人(ロンドン国際展と中国人外交官―郭泰祺と鄭天錫;ロンドン国際展と英国の中国文化人―劇作家・熊式一と書画家・蒋彝;ロンドン国際展と中国の知識界―孫科・蔡元培と『中国評論週報』グループ ほか)
第3部 林語堂の「中国」とパール・バック夫妻(渡米前の林語堂とバック夫妻―『中国評論週報』と『吾国と吾民』;渡米後の林語堂とバック夫妻―『アジア』、ジョン・ディ社、「東西協会」;林語堂における性霊・ユーモア・閑適―『生活の芸術』を中心に)
「失われた楽園」を超えて―『北京好日』に描かれた文人文化と現代中国
著者等紹介
範麗雅[ハンレイガ]
中国浙江省温州市生まれ。北京大学東方語言文学部日本語科卒業、東京大学大学院総合文化研究科博士課程単位取得満期退学、博士(学術)。国際日本文化研究センター共同研究員などを経て、台湾・中央研究院歴史語言研究所ポストドクトラル・フェロー(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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