内容説明
死の美学、それとも―三島由紀夫も憧れた古代ギリシアの「美しい死」。ホメロスやプラトンから葬礼演説までの遺されたテクストを踏まえつつ、戦死を称える詩人の言葉が悲劇作品においてたどった運命を丹念に読み解き、魅惑と苦悩のあいだに浮かび上がるその実態を明らかにする。
目次
ギリシア悲劇における「美しい死」という問題
第1部 カロスなる死(よき死の中のカロスなる死;ホメロスにおける戦死評価とカロス;“カロス・タナトス”の誕生;前五世紀の戦死評価―カロス・タナトスの周辺事情(1)
もう一つのカロスなる死―カロス・タナトスの周辺事情(2))
第2部 悲劇におけるカロスなる死(それを行いながら死ぬことは…―ソポクレスの『アンティゴネ』;生まれよき者がなすべきは…―ソポクレスの『アイアス』;カロスなる見ものを目にするならば…―エウリピデスの『ヒケティデス』;誅殺できないならこの館を焼いて…―エウリピデスの『オレステス』;その男が正義の網にかかったのを見た私には…―アイスキュロスの『オレステイア』三部作)
「美しい死」とギリシア悲劇
著者等紹介
吉武純夫[ヨシタケスミオ]
1959年北海道小樽市に生まれる。1983年京都大学文学部卒業。1988年ブリストル大学古典学部にリサーチスチューデントとして留学。1991年京都大学大学院文学研究科博士後期課程認定退学。静修女子大学(現札幌国際大学)人文社会学部助教授などを経て、名古屋大学大学院人文学研究科准教授、京都大学博士(文学)(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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in medio tutissimus ibis.