内容説明
暮らしの中からみえてくる。家族、災害、健康、教育や娯楽など、身近な生活環境を手がかりにやさしく解説、私たちの生活と経済の歴史の深いつながりを、実感とともに学べる入門テキスト。
目次
身近な生活から地域の環境を考えよう
第1部 地域社会と生活(家族・地域社会と経済活動;災害と飢饉)
第2部 自然環境と生活(森林資源と土地所有;エネルギーと経済成長)
第3部 近代化と生活(人口で測る経済力;健康と医薬;娯楽と消費)
第4部 社会環境と生活(教育と労働;法と福祉;帝国と植民地経済)
競争と共存から未来を思い描こう
入門ガイド 文献史料と統計資料
著者等紹介
中西聡[ナカニシサトル]
1962年愛知県に生まれる。1993年東京大学大学院経済学研究科博士課程単位取得退学。東京大学社会科学研究所助手、北海道大学経済学部助教授、名古屋大学大学院経済学研究科教授などを経て、慶應義塾大学経済学部教授、博士(経済学)。編著書『海の富豪の資本主義―北前船と日本の産業化』(名古屋大学出版会、2009年、日本学士院賞)『近代日本の地方事業家―萬三商店小栗家と地域の工業化』(共編著、日本経済評論社、2015年、企業家研究フォーラム賞)ほか(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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ともブン
6
日本史を経済活動から紐解く書 海外の例も多数取り上げてあり、物語としても楽しく読むことができた。各章ごとにテーマが決められており、家族・災害・健康・教育などの発展を学ぶことができた。 昔ながらの〇〇というフレーズ、勝手に美化していることが多かったけど、早合点や先入観によって作られた一面的な過去だったとも気づかされた。 多角的な視点を持ててよかった、と思う。 参考文献も多く紹介されており、ここから深く学びたいテーマがある場合のヒントとして使えそう。2021/08/22
jackbdc
4
学生向けテキスト。5章構成で、10の各論とコラムを編纂するのだが、テーマ設定と編集方法が好み。経済史のテキストでワクワクを感じてしまうとは自分の事ながら気持ちが悪い。学生の頃はこんな思いは微塵も抱いたことが無かったのにと不思議に思う。自分の周囲を改めて見回すと、年齢を重ねる程に主体的学習の意義を見出す例が少なくない事に気付く。特に歴史にそういう例が多い気がするのは気のせいだろうか。特に印象に残ったのは、”日本の人口減少は初めてではない(4回目)”という事実。しかしマルサス的制約から逃れた人口減少は初。2021/10/08
そ吉
2
分野的に経済史学かと思って読んだがどちらかというと「社会史の経済的考察」であり近世社会の歴史を各分野ごとに統計資料等を基に経済面から分析・考察していた。 大学の学部レベルのテキストを企図して書いたとのことであり構成も教科書風で各章ごとに一コマ90分の講義を受けた後の様な感覚になった。 個人的には第8章教育と労働と第10章帝国と植民地経済の章が印象深かった。 所謂富国強兵と単純に括ることのできない当時の国民教化策の背景にある経済的な目的は改めて今の中国の政策と照らし不気味なものを感じた。★★★☆☆2022/01/03
Yuki
1
コミュニティの形成から、娯楽、医療、工業化など様々な内容を、それらの起源から現代の日本までざっくりと説明し、最後に経済史について、そしてシステム論から見る世界についての説明があり、経済史の入門として良いと思った。 様々な、特に日本の学者の引用が掲載されているので、興味のある分野や考えなどを深堀りしていく足掛かりになりそうだなと思った。 どの内容についても比較的浅い内容しか載ってないので そういう本が苦手な人には向かないかもしれない。2019/08/20