内容説明
仏教伝来のインパクトを受け体系化する道教。中国固有の思想との相克のなか、融合はいかになされたのか。霊宝経から坐忘論まで、生み出された経典・儀礼・聖像等を通して、六朝隋唐時代におけるダイナミックな展開を描き出す労作。
目次
第1篇 霊宝経の形成とその思想(霊宝経と初期江南仏教―因果応報思想を中心に;霊宝経における経典神聖化の論理―元始旧経の「開劫度人」説をめぐって ほか)
第2篇 天尊像考(隋代の道教造像;天尊像・元始天尊像の成立と霊宝経 ほか)
第3篇 道教経典と漢訳仏典(『海空智蔵経』と『涅槃経』―唐初道教経典の仏教受容;『海空智蔵経』巻十「普記品」小考―道教経典と中国撰述仏典 ほか)
第4篇 日本国内所蔵の道教関係敦煌写本(国立国会図書館所蔵の敦煌道経;杏雨書屋所蔵の敦煌道経 ほか)
第5篇 唐代道教と上清派(則天武后期の道教;司馬承禎『坐忘論』について―唐代道教における修養論 ほか)
著者等紹介
神塚淑子[カミツカヨシコ]
1953年兵庫県に生まれる。1975年東京大学文学部卒業。1979年東京大学大学院人文科学研究科博士課程中途退学。現在、名古屋大学大学院人文学研究科教授、博士(文学)(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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