内容説明
酸素がめぐり、経済が動く。ボンベにつめられ、日本中の町工場へと運ばれ続けた見えない商品、酸素。鉄鋼、化学、電機から農業、バイオ、医療へと用途を広げ、競争力の新たな焦点となった産業ガスの軌跡を、国際関係史も視野に明治の黎明期から今日までたどり、その特徴的な産業の姿をクリアに描きだす。
目次
序章 「見えない産業」の形成と発展―溶接・切断を支える諸産業の意義
第1章 酸素工業の黎明―1910~20年代
第2章 大阪酸素工業界の構造変化―1930年代
第3章 経済統制下の必死の対応―戦時期~戦後復興期
第4章 外資系企業の「日本化」過程―戦時下における帝国酸素の事例
第5章 ガス溶接・切断機企業の展開―戦前期
第6章 電気溶接機企業の展開―戦前・戦中期
第7章 液酸とオンサイトプラントの時代―高度成長期の酸素工業
第8章 電気溶接機工業―戦後の展開
第9章 戦後日本の溶接材料商社
第10章 産業ガス産業への変容―高度成長期以後
終章 酸素・溶接機工業の100年
著者等紹介
沢井実[サワイミノル]
1953年生。1978年国際基督教大学教養学部卒業。1983年東京大学大学院経済学研究科第二種博士課程単位取得退学。現在、南山大学経営学部教授、大阪大学名誉教授、博士(経済学)。主著『近代日本の研究開発体制』(名古屋大学出版会、2012年、日経・経済図書文化賞、企業家研究フォーラム賞受賞)(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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