内容説明
誰を受け入れ、誰を排除するのか。国境管理の再編と段階的選別の拡大へ―移民受入をめぐる風景を一変させた政策と実態の変化を、古典的移民国、EU諸国、後発受入国の比較により鮮明に捉え、排除と包摂のメカニズムをトータルに示す。
目次
選別的移民政策の時代
第1部 古典的移民国の新たな選別戦略(アメリカ合衆国1・高度技能移民政策の起源と変貌―H‐1Bビザの神話を超えて;アメリカ合衆国2・非正規移民1150万人の排除と包摂―強制送還レジームとDACAプログラム;オーストラリア・「線」の管理から「面」の管理へ―技能移民受入・庇護希望者抑留と空間性)
第2部 EU諸国の受入政策の転換(EU・「国境のないヨーロッパ」という幻想―EU共通移民政策の展開;イギリス・ポイント・システム導入と民営化の進展―敵対的選別化への道;フランス・共和国的統合コンセンサスへの挑戦とその帰結―サルコジ政権下の「選択的移民」政策;ドイツ1・移民政策のパラダイム・シフト―国民福祉国家から国民競争国家へ;ドイツ2・難民受入をめぐる移民政策の変容―排除と包摂のはざまで;スペイン・振興位見受入国のダイナミズム―なぜ2000年代を代表する移民国家となったのか)
第3部 後発受入国の戦略形成(韓国・政府主導の「制限的開放」移民政策の形成―人権と競争力の交差;日本1・高度外国人材受入政策の限界と可能性―日本型雇用システムと企業の役割期待;日本2・外国人選別政策の展開―進行する選別的排除)
選別的移民政策の国際比較
著者等紹介
小井土彰宏[コイドアキヒロ]
1958年大阪市に生まれる。1992年東京大学大学院社会学研究科博士課程単位取得満期退学、ジョンズ・ホプキンズ大学大学院社会学部博士課程修了。北海道大学文学部助教授、上智大学国際関係研究所助教授を経て、2001年一橋大学社会学部助教授。現在、一橋大学大学院社会学研究科教授、Ph.D.in Sociology(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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