内容説明
日清戦争は東アジア国際関係の画期だった。しかしなぜそう言えるのか。宣戦布告までの過程で清韓宗属関係の解体を導き、下関条約の内容確定と三国干渉を含む履行プロセスで不平等条約体制の動揺と各国の相互関係の変質を促した日本外交の中核的役割を浮き彫りにし、戦争の位置づけを問い直す意欲作。
目次
第1部 日清開戦前後の清韓宗属関係と日本外交(日清戦争前の東アジアにおける日本外交;朝鮮内政改革案による「宗主国」の争点化;二つの争点による二つの軍事的衝突;大韓帝国の成立による東アジアの変化)
第2部 日清戦争終結に至る日本外交(戦争の継続をめぐるイギリスの動揺;「三国干渉」による「終戦」;遼東半島の返還;『蹇蹇録』の描いた国際社会)
第3部 下関条約履行をめぐる日本外交(下関条約による新たな不平等条約関係;日清通商航海条約締結交渉における経済利害の複雑性;償金受領に伴う利権獲得競争の先鋭化;威海衛からの撤退に伴う利権獲得競争への参入)
著者等紹介
古結諒子[コケツサトコ]
1981年兵庫県に生まれる。2004年聖心女子大学文学部歴史社会学科卒業。2013年お茶の水女子大学人間文化研究科博士後期課程修了。現在、日本学術振興会特別研究員、博士(人文科学)(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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