内容説明
民主体制下で繰り返される紛争と抗議運動をどうのりこえるか。2000年代以降の南米を決定づけた人々の政治参加の核心を「資源の呪い」など通説を斥けてとらえ、発展の契機を人々の行動から根源的に考える。高騰する資源、模索する人々、発展への合意に向けて。
目次
第1部 資源政策と政治参加―基礎的考察(資源政策と政治参加を説明する―認識枠組み;ラテンアメリカにおける資源開発と政治参加)
第2部 ラテンアメリカ地域の動向についての検証(石油・天然ガス部門の「国有化」政策は何によって決まるのか;資源レントの増加は政治参加を活発化させたのか)
第3部 政治参加の歴史的形成(ペルーにおける先住民の政治参加―「弱い社会」の形成;ボリビアにおける先住民の政治参加―「強い社会」の形成)
第4部 資源政策をめぐる政治参加の諸側面(ペルー1―鉱山紛争の質的比較分析;ペルー2―非制度的な政治参加から制度的対話への困難な過程;ボリビア1―集権化が政治参加に及ぼす影響;ボリビア2―強力な利益団体が左右する鉱業政策;ラテンアメリカの挑戦―結論と含意)
著者等紹介
岡田勇[オカダイサム]
1981年愛知県に生まれる。2004年京都大学法学部卒業。2010年筑波大学大学院人文社会科学研究科博士課程修了、博士(政治学)。在ボリビア日本大使館専門調査員、日本学術振興会特別研究員などを経て、名古屋大学大学院国際開発研究科准教授(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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