内容説明
女性作家は“女性”を代表しない。“女性”へと呼びかけられ、亀裂の感覚を生きながら、彼女たちはいかに語ってきたのか。田村俊子、野上弥生子、宮本百合子、尾崎翠、林芙美子、円地文子、田辺聖子、松浦理英子、水村美苗、多和田葉子など、複数の読み手に曝されたマイノリティ文学として読む。
目次
“女性作家”という枠組み
第1部 応答性と被読性(“女”の自己表象―田村俊子「女作者」;書く女/書けない女―杉本正生の「小説」;読者となること・読者へ導くこと―円地文子『朱を奪うもの』;聞き手を求める―水村美苗『私小説 from left to right』;関係を続ける―松浦理英子『裏ヴァージョン』)
第2部 “女”との交渉(“女”を構成する軋み―『女学雑誌』における「内助」と“女学生”;「師」の効用―野上弥生子の特殊性;意味化の欲望―宮本百合子『伸子』;女性作家とフェミニズム―田辺聖子と女たち)
第3部 主体化のほつれ(“婆”の位置―奥村五百子と愛国婦人会;越境の重層性―牛島春子「祝といふ男」と八木義徳「劉廣福」;従軍記と当時者性―林芙美子『戦線』『北岸部隊』)
第4部 言挙げするのとは別のやり方で(異性愛制度と撹乱的感覚―田村俊子「炮烙の刑」;遊歩する少女たち―尾崎翠とフラヌール;言葉と身体―多和田葉子『聖女伝説』『飛魂』)
著者等紹介
飯田祐子[イイダユウコ]
1966年愛知県に生まれる。1995年名古屋大学大学院文学研究科博士課程満期退学。神戸女学院大学教授などを経て、名古屋大学大学院文学研究科教授、博士(文学)(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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