内容説明
空前の巨大帝国の繁栄の影で。人口爆発、商品経済化、人とモノの移動の激化に伴い急増した犯罪は、清代中国をどう変えていったのか。犯罪、警察、監獄の実態を初めて包括的に描きだし、中国近世社会史の大きな欠落を埋めるとともに、その独自の治安システムの展開を捉えて世界史のなかに位置づけた瞠目の成果。
目次
中国近世史における犯罪と治安
第1部 犯罪と警察の近世(近世東アジア人口の増加・移動と「近世」的犯罪;緑営の「〓(しん)」の設置・管轄区域と市鎮の“領域”
農村空間における犯罪動向と市鎮住民
佐弐・雑職の市鎮への移駐と管轄区域
「犯罪取締りの歴史」と開発・発展の全体史)
第2部 監獄の近世(近世旧監獄社会と牢頭;訴訟と歇家;「自新所」の誕生;清末湖州府南潯鎮社会と洗心遷善局;自新所・遷善所・改過所から習藝所へ)
東アジア史・世界史のなかの中国「近世」
著者等紹介
太田出[オオタイズル]
1965年愛知県に生まれる。1999年大阪大学大学院文学研究科博士課程修了。現在、広島大学大学院文学研究科准教授、博士(文学)(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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