内容説明
第二次大戦を経て、ビッグ・サイエンスに至るまで。華々しくも苦難に満ちた物理学の100年を、確かな筆致で全領域にわたりバランスよく記述。
目次
第2部 革命から地固めへ(承前)(物理学と新たなる独裁政権;頭脳の流出・頭脳の流入;ウランの謎からヒロシマまで)
第3部 進歩と問題(核にまつわる話題;軍事化と巨大潮流;粒子の発見に次ぐ発見;基礎理論あれこれ;宇宙論と相対論ルネサンス;固体物理学の諸要素;物理工学と量子エレクトロニクス;攻撃される科学―危機にある物理学?;統一と思弁)
第4部 固顧(ノーベル物理学賞;物理学の世紀を回顧する)
著者等紹介
岡本拓司[オカモトタクジ]
1989年東京大学理学部物理学科卒業。1994年東京大学大学院理学系研究科科学史・科学基礎論専攻単位取得退学。現在、東京大学大学院総合文化研究科准教授、東京大学博士(学術)(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。
1 ~ 1件/全1件
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
KAZOO
60
下巻では、政治あるいは大戦に翻弄される物理学者たちの動きを中心に描かれています。当然のことながらヒロシマについても書かれています。さらにその後の進歩で宇宙物理学の分野が盛んとなる経緯なども書かれた最近までの動きがよくわかります。ノーベル物理学賞の回顧についても書かれています。確かに理論や数式などはあまり出てこないので文科系の人間とって読みやすさはありますが、逆に物足りなさを覚えました(勝手ですよね)。2015/09/08
quolc
2
本書は科学史の専門家による集大成的著作で、標準的な文献として認知されており安心して参照できる一冊。内容面では、エディントンの統一理論など失敗した試みに関しての記述も充実している他、計量書誌学的手法を用いた物理学者の社会的側面についての分析も多く、類書で得られる「物理学の知見の発展史」ではなく、「物理学の歴史」を正しく記述した本であると感じられた。2016/03/16