内容説明
巨大なインドはどのように動いているのか?インドの政治は、経済成長以上の驚異である。独立以降の民主主義体制の変化を軸に、そのダイナミックな実像を叙述的分析と統計的分析によって見通しよく描いた待望作!
目次
インドの民主主義体制の位相
第1編 政党システムの変容(民主主義体制の成立と課題―インド国民会議派を中心とする「一党優位体制」の展開;危機の10年と会議派政治の変質―経済危機と体制変容;政党システムの多党化と変容―包摂的民主主義の可能性)
第2編 政治意識の変化と民主主義体制(社会変容と政治参加―連邦下院選挙の分析;政党システムと経済変動、宗派間亀裂―連邦下院選挙の分析;民主主義体制における「トラスト」―政治的安定性の認識構造)
第3編 民主主義における多様性の中の調和(ヒンドゥー・ナショナリズムと多数派主義―州政治と宗派間の暴力;中央‐州関係の展開―多党化と協調的連邦制)
多様性の中の民主主義
著者等紹介
近藤則夫[コンドウノリオ]
1958年新潟県に生まれる。1981年東京大学工学部卒業。現在、日本貿易振興機構アジア経済研究所・地域センター・南アジア研究グループ長(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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mittsko
6
独立インドの政治分析を、定量的手法によりやり続けてきた著者、待望の単行書(編者となった既刊書は多数)。政治史と統計分析の成果をもとに「インド現代政治を包括的に見通」そうという試み。インド民主主義の頑健性と動態を、とくに政党システムと社会との連関に注目し時系列で論じていく第Ⅰ編。政治制度と政治意識の変動を定量的に明らかにする第Ⅱ編。宗教政治とその暴力を民主主義への脅威と見定め、中央-州関係をキーにそのインパクトを読み解く第Ⅲ編。インド政治により深い関心をもった方、なにしろ必読!インド政治の世界へようこそ!2020/01/23