内容説明
現代の国際秩序を問い直す。「宗主権」とは何か。西洋人が多用したこの不可思議な概念の背後に歴史的大転換を読み解くことによって、西方・東方の多元的な文化圏を統合したオスマン帝国と清朝の「普遍性」の解体をはじめて包括的に捉え、現在までつづく世界秩序の形成過程を解明した画期的著作。
目次
第1部 オスマン秩序体系の転換と西洋(オスマン帝国における附庸国と「宗主権」の出現―ワラキアとモルドヴァを例として;主権と宗主権のあいだ―近代オスマンの国制と外交)
第2部 西方から東アジアへ(宗主権と国際法と翻訳―「東方問題」から「朝鮮問題」へ;東西の君主号と秩序観念;ロシアの東方進出と東アジア―対露境界問題をめぐる清朝と日本)
第3部 近代日本と翻訳概念(Diplomacyから外交へ―明治日本の「外交」観;日清開戦前後の日本外交と清韓宗属関係)
第4部 翻訳概念と東アジアの変貌(モンゴル「独立」をめぐる翻訳概念―自治か、独立か;チベットの政治的地位とシムラ会議―翻訳概念の検討を中心に)
第5部 東西新秩序のゆくえ(中国における「領土」概念の形成;宗主権と正教会―世界総主教座の近代とオスマン・ギリシア人の歴史叙述)
著者等紹介
岡本隆司[オカモトタカシ]
1965年京都市に生まれる。現在、京都府立大学文学部准教授。著書『近代中国と海関』(名古屋大学出版会、1999年、大平正芳記念賞)『属国と自主のあいだ』(名古屋大学出版会、2004年、サントリー学芸賞)ほか(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
BLACK無糖好き
さとうしん
(ま)