出版社内容情報
東アジアと並ぶ、世界の書物文化のメインストリーム。華麗なる本の歴史を、デジタル時代の今、ふり返る。
内容説明
近代以前、イスラーム世界は中国と並んで世界の書物文化の二大山脈を形づくっていた。聖典クルアーンから歴史書や科学書まで、また華麗な書や絵画から装丁まで、広大な地域の知と文芸を支えた書物の歴史を、デジタル時代の今ふり返る。
目次
光は東方から―文字と書物の水脈
第1部 イスラーム文明と書物文化の隆盛(イスラームの誕生と聖典クルアーン;製紙法の伝播とバグダード紙市場の繁栄;アラビア語正書法の成立 ほか)
第2部 華麗なる写本の世界(書物の形と制作技術;アラビア書道の流派と書家たち;書物挿絵の美術 ほか)
第3部 現代から未来へ―写本・印刷本・デジタル本(イスラーム写本の流通と保存;写本研究の愉しみ(1)―アラブ史の現場から
写本研究の愉しみ(2)―オスマン朝史の現場から ほか)
著者等紹介
小杉泰[コスギヤスシ]
京都大学大学院アジア・アフリカ地域研究研究科教授、法学博士
林佳世子[ハヤシカヨコ]
東京外国語大学大学院総合国際学研究院教授(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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宵子
2
アラビア文字のカリグラフィーに興味があって読んだが、ちょっと違った。イスラーム圏(アラビア、ペルシャ、トルコが主)の図書や装飾の歴史について書いた本。文体や製本、写本の歴史も扱っている。私は女性の書道家も少なくなかったことに驚いた。2015/11/21
茅野
1
良書。2018/03/18
ドウ
1
書物のみならず、書物を造るのに必要な製紙法や正書法の整備から現代における状況まで網羅した本。専門的な論文集というより教科書・入門書の雰囲気。書物そのものの歴史を論じる章は案外少なく、地域ごとの独自性とか、写本研究の醍醐味とかの章もあって楽しく読めた。2015/09/19
trash
0
一般向けというか学習向けに書かれたような本。イスラム書物というよりはコーラン(クルアーン)が初期の写本から電子書籍に至るまで、如何にしてどんな文字、形態で作られていった歴史になってる気がするあたりあの地域でのコーランってどんな扱いなのだろうと思ってしまう。。一番最初にコーラン異本を全部焼却して今に至るまで一つの初期写本のタイプしか見つかっていない。ってのは結構凄い話だと思う。一応年代順っぽく構成されているものの一人の著者が書いているわけではないので次の章でいきなり話がとんでしまうところもちらほらあるような2014/10/28