内容説明
公共善の理念のみならず、近隣や仲間団体による結びつきから、裁判記録にみられる噂と評判の世界、関係の結節点としての都市空間やイメージまで、そこに生きる人々の社会的絆に注目することで、人間の共同性を更新していく力のあり様を探る。
目次
第1章 行政上の地理区分と市民
第2章 さまざまな仲間団体
第3章 噂と評判の世界―裁判記録から
第4章 社会関係の結節点
第5章 イメージの媒介力
終章 新たな公共善へ―後期中世都市の世界
著者等紹介
池上俊一[イケガミシュンイチ]
1956年愛知県豊橋市に生まれる。1983年東京大学大学院人文科学研究科(西洋史学専攻)博士課程中退。現在、東京大学大学院総合文化研究科教授(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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人生ゴルディアス
3
中世シエナの社会の状態について、「公共善」をキーワードに記していくというものだけど、本書において「公共善」はあんまり重要に感じなかった。本書に記されている諸々のことから必然的に滲み出してくる概念か、というとそうではなく、著者の思い入れだけが強く感じられた。むしろ、共和制と言いながら党派政治になっていたから、自分達の正当性を主張するために「公共善」という言葉を持ち出していて、時にはまあ町に住む人間として真面目に考えることもあった・・・・・・程度じゃないのかな。。2015/12/10
陽香
1
201402282016/06/29