内容説明
中国は開発経済学で解けるか。未曾有の変貌をとげる現代中国を、社会科学の実験場とみなし、開発経済学のさまざまなモデルや仮説を準拠枠として、その「発展」の軌跡を検証する。はたして「中国モデル」は存在するのか。第一人者による透徹した中国経済論。
目次
中国経済の捉え方:開発経済学的枠組みと視座
初期条件と歴史的文化的特性
成長モデルと構造変化
ルイス・モデルと中国の転換点
外向型発展モデルと中国
雁行形態論・キャッチアップ型工業化論とその限界
人口転換と人口ボーナス
分配と貧困
人的資本と教育
環境クズネッツ曲線と中国の環境問題
開発独裁モデル:中国における政府と市場の関係
中国の開発経験をどう見るか
著者等紹介
中兼和津次[ナカガネカツジ]
1942年北海道に生まれる。1964年東京大学教養学部卒業。アジア経済研究所調査研究部研究員、一橋大学経済学部教授、東京大学大学院経済学研究科教授、青山学院大学国際政治経済学部教授等を経て、東京大学名誉教授(経済学博士)。主著:『中国経済発展論』(有斐閣、1999年、アジア太平洋賞大賞・国際開発研究大来賞)、『中国経済論』(東京大学出版会、1992年、太平正芳記念賞)など(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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