内容説明
生前のヒュームが最も苦心して改稿を重ね、政治・経済・社会思想から道徳哲学・批評を含む文明社会の広大な領域を横断的に論述したエッセイ集。多くの読者を獲得し、賢人ヒュームの名声を世に知らしめたもう一つの主著が、本邦初訳を多数含む「完訳版」としてよみがえる。
目次
第1部(趣味および情念の繊細さについて;言論・出版の自由について;政治は科学になりうる ほか)
第2部(商業について;技芸における洗練について;貨幣について ほか)
第3部(エッセイを書くことについて;道徳上の偏見について;中産層について ほか)
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感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
壱萬弐仟縁
3
各章末注が充実。中でもⅡ章「言論・出版の自由について」の民衆の不平不満について(9ページ下段)は、現代でも為政者は心してほしいことだ。また、「幸福には安らかさと満足、休息、快楽が含まれており、油断のなさや気苦労や疲労は含まれていない」(126ページ)。この指摘は現代人でも妥当しよう。幸福であるためには、元気よく陽気でなければならない。望みをもち喜ぶ性向こそ真の富である(146ページ)。A.スミスの師匠だけあって、納得できることだと思える。後は、XIX章「一夫多妻と離婚について」(158ページ~)も面白い。2012/11/03
ppp
1
エッセイだからか、湧出してくるヒュームの人間観が興味深いし、別の分野の議論の参考になる。2014/08/22
ppp
1
直接には関係ないけど、やはり懐疑論や人間本性についての自然主義的な考え方がにじみ出ており、今後きちんと読むべきだと思った。2014/07/31