出版社内容情報
第54回日経・経済図書文化賞受賞
第6回政治経済学・経済史学会賞受賞
内容説明
戦後日本の高度成長への道を拓いたエネルギー革命の歴史的意義を、戦前期から1960年に至る長期的視野で位置づけ直し、資源制約に対応した経済社会の形成過程を示す。戦後経済史・環境史の理解に新たな扉を開く画期的成果。
目次
エネルギー革命再考
第1編 エネルギー節約の取り組み―1920~55年(エネルギー節約政策の誕生;熱管理の時代;鉄鋼業におけるエネルギー節約技術の発展)
第2編 エネルギー革命の進展とエネルギー政策―1950年代(1950年代のエネルギー政策;電力業のエネルギー革命)
第3編 エネルギー需要増大への対応―1955~60年(石油産業の1950年代;タンカー大国へ;臨海開発とエネルギー革命)
エネルギー制約の「解決」
著者等紹介
小堀聡[コボリサトル]
1980年横須賀市に生まれる。2002年京都大学経済学部経済学科卒業。2007年大阪大学大学院経済学研究科博士後期課程修了。現在、名古屋大学大学院経済学研究科講師(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
メルセ・ひすい
4
14-65 赤60 戦後日本の高度成長への道を拓いたエネルギー革命の歴史的意義を、戦前期から1960年に至る長期的視野で位置づけ直し、資源制約に対応した経済社会の形成過程を示す。戦後経済史・環境史の理解に新たな扉を開く2011/02/21
壱萬弐仟縁
2
評者よりもかなり若い有能な研究者による重厚なエネルギー論。やはり、原発のことがどこから書かれているかに耳目が集まるであろう。それは、1956年1月14日の第2次近代化計画という(202ページ)。この頃から原発へのエネルギー依存を徐々に始めることになるのだ。そして、3.11までどう運営してきたか。原発依存の序曲は、どうも1957年の火力だけでは電力需要増に対応できないという委員会の評価による(206ページ)。電気事業連合会が原発に期待感(209ページ)。誰のためのエネルギーかは著者の史的跡付けで説得力持つ。2012/11/25