内容説明
近世以来の伝統をもとに多彩な製品群を生み出し、輸出産業化・機械制大工業の成立を経て飛躍的な発展を遂げた近代日本の陶磁器業を、東濃・瀬戸・名古屋・京都・有田など主要産地の構造変化を捉えて実証的に描き出し、近代化へと至る多様な発展経路の存在を示した産業史研究の新たな叙述。
目次
「在来産業」論から複層的生産組織論へ
歴史的および技術的前提
近代日本陶磁器業の概観―マクロデータから
美術陶磁器輸出の隆盛と挫折―起立工商会社への政府融資を事例として
近代日本陶磁器業と小零細経営
近代日本陶磁器業と中小経営―瀬戸陶磁器業を事例として
近代日本陶磁器業における技術導入―石炭窯の普及を事例として
先駆的な機械制大工業化の失敗―有田・京都・名古屋の事例
近代日本陶磁器業における大企業の成立―森村組の活躍と日本陶器の設立
両大戦間期における日本陶磁器業の変質
近代日本の生産システムと陶磁器業
著者等紹介
宮地英敏[ミヤチヒデトシ]
1974年岐阜県多治見市に生まれる。1999年東京大学文学部卒業。2004年東京大学大学院経済学研究科博士課程単位取得退学。東京大学大学院経済学研究科助手を経て、九州大学附属図書館付設記録資料館准教授、博士(経済学)(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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