内容説明
バブル崩壊後の長期不況に苦しんだ日本と、新興企業の叢生に沸いたアメリカ―日米経済の広く知られた90年代像の実態を初めて本格的に再検討、主要産業における日米企業関係を実証的に分析し、日米企業競争の真の焦点がどこにあったのかをグローバル競争の光のもとで浮彫りにした成果。
目次
ニューエコノミーと「失われた十年」―本書の課題と構成
1 ニューエコノミーとアメリカの再生(「見える手」から「消えゆく手」へ―インターネット産業:ライブドア・楽天とGoogle;プラットフォームにおける技術革新―ゲーム産業:任天堂・ソニーとマイクロソフト;オープン化とコモディティ化の帰結―PC産業:IBMとNECを中心に ほか)
2 オールドエコノミーの転換と日米間競争(対日「逆キャッチアップ」とそれへの対応―自動車産業:GMとトヨタ;リストラ後のマーケット・インとプロダクト・アウト―鉄鋼業:新日鉄とUSスチール・ニューコア;「選択と集中」による異質化の進行―電気機械産業:GEと東芝 ほか)
3 産業基盤再編の日米比較(金融自由化と「周回遅れ」の発生―銀行業:シティバンクと三菱東京UFJ銀行;グローバル化と経営効率性の格差―生命保険業:アフラックと日本生命;通信自由化と企業分割・再編成の偏差―電気通信産業:AT&T分割とNTT再編成 ほか)
日米関係経営史の1990年代とチャンドラー・モデルの位置
著者等紹介
塩見治人[シオミハルヒト]
1943年生。1973年京都大学大学院経済学研究科博士課程修了。現在、名古屋外国語大学現代国際学部教授・名古屋市立大学名誉教授
橘川武郎[キッカワタケオ]
1951年生。1983年東京大学大学院経済学研究科博士課程単位取得退学。現在、一橋大学大学院商学研究科教授(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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