内容説明
フランス革命後の変動する社会の中で、成長する新聞メディアから同時代の政治と社会の生態を貪欲に吸収し、恋愛心理と交錯させつつ生み出された、『赤と黒』や『パルムの僧院』など近代ロマネスクの世界。その形成原理を創造の現場から探る。
目次
第1部 近代ロマネスクの形成(近代ロマネスクと「特異性」;スタンダールにおける近代ロマネスクの形成;叙事詩的冒険から近代ロマネスクへ;未完のロマネスク)
第2部 新聞を読むスタンダール(新聞を読むスタンダール(一)
新聞を読むスタンダール(二)
『赤と黒』と「密書」事件
『リュシアン・ルーヴェン』と軍隊
『パルムの僧院』のフランス語材源
『パルムの僧院』と牢獄
マチルドとメッテルニヒ
『ラミエル』の同時代材源)
第3部 スタンダールと日本(明治文学におけるスタンダール;大正文学におけるスタンダール;谷崎潤一郎と昭和のスタンダール;大岡昇平とスタンダール;三島由紀夫とスタンダール)
著者等紹介
栗須公正[クリスコウセイ]
1936年東京都に生れる。1962年早稲田大学大学院文学研究科仏文学専攻修士課程修了。1967年グルノーブル大学博士(フランス文学)。南山大学助教授、教授(文学部、のち外国語学部)を経て、南山大学名誉教授(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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