出版社内容情報
文明の進歩によって誰もが豊かになれる――これがスミスの抱いたヴィジョンであり、経済学の約束であった。それは果たして実現されたのか。本書は、穀物と民衆、利益と秩序、投機と組織、帝国と現代、という四つの視点から『国富論』を読み直し、その明のコントラストのなかに、市場原理にもとづく現代社会の困難を浮かび上がらせる。
目次:
第1章 穀物と民衆
第1節 都市と農村における貧困問題
第2節 穀物市場の効率性と食料の安定供給
第3節 国際穀物市場とポーランド問題
第4節 文明化とパターナリズム
第2章 利益と秩序
第1節 「利益」の社会的・知識論的意味
第2節 資本の安全と「見えない手」
第3節 貯蓄と身分的上昇
第4節 調和的な自然的秩序と自然的自由のシステム
第3章 投機と組織
第1節 定常的な経済と投機的精神――「総合報酬」の均等化
第2節 投資と投機
第3節 ダイダロスの翼――紙券信用と投機
第4節 組織と競争と力
第4章 帝国と現代
第1節 空間としての現在――文明と野蛮
第2節 歴史としての現在――歴史の逆行と順行
第3節 帝国の衰亡と不滅への志向
内容説明
スミスを現代に開く。文明の進歩によって誰もが豊かになれる、という経済学の約束は果たして実現されたのか。あらたな視点から『国富論』を読み直し、その明暗のコントラストのなかに、市場原理にもとづく現代社会の困難を浮かび上がらせる。
目次
序(国民の豊かさ―物量主義と平均主義;微妙なレトリック―「にもかかわらず」か「それゆえに」か ほか)
第1章 穀物と民衆(都市と農村における貧困問題;穀物市場の効率性と食糧の安定供給 ほか)
第2章 利益と秩序(「利益」の社会的・知識論的意味;資本の安全と「見えない手」 ほか)
第3章 投機と組織(定常的な経済と投機的精神―「総合報酬」の均等化;投資と投機 ほか)
第4章 帝国と現代(空間としての現在―文明と野蛮;歴史としての現在―歴史の逆行と順行 ほか)
著者等紹介
竹本洋[タケモトヒロシ]
1944年富山県生まれ。1975年大阪市立大学大学院経済学研究科博士課程単位取得退学。関西学院大学経済学部教授(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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