財政=軍事国家の衝撃―戦争・カネ・イギリス国家1688-1783

  • ただいまウェブストアではご注文を受け付けておりません。
  • サイズ A5判/ページ数 271,/高さ 22cm
  • 商品コード 9784815804657
  • NDC分類 233.05
  • Cコード C3022

出版社内容情報

強力な戦争遂行国家はいかにして生まれたのか。巨大な陸海軍、勤勉な行政官、重税と莫大な債
務を特徴とする新たな国家、「財政=軍事国家」の成立とその政治的・社会的インパクトを明快
に描き出し、従来のイギリス史像に根本的な書き換えを迫った話題作。待望の邦訳。
目次:
序 論
第Ⅰ部 革命前史
 第1章 コンテクスト

第Ⅱ部 財政=軍事国家の輪郭
 第2章 軍 隊
 第3章 文民政府
 第4章 カネ、カネ、カネ

第Ⅲ部 政治危機
 第5章 国家権力のパラドクス

第Ⅳ部 国家・戦争・経済
 第6章 戦争のパラメーター
 第7章 戦争と租税

第Ⅴ部 国家と市民社会
 第8章 公の情報、私の利害

結 論














内容説明

巨大な陸海軍、勤勉な行政官、重税と莫大な債務―18世紀イギリスにおける「財政=軍事国家」の成立とそのインパクトを描き出し、従来の歴史像に書き換えを迫った話題作。

目次

第1部 革命前史―中世~近世のイングランド国家(コンテクスト)
第2部 財政=軍事国家の輪郭(軍隊―軍事力組織化の諸形態;文民政府―政府の中央部局;カネ、カネ、カネ―膨らむ債務と課税)
第3部 政治危機―財政=軍事国家の出現(国家権力のパラドクス)
第4部 国家・戦争・経済(戦争のパラメーター―政策と経済;戦争と租税―社会、経済、世論)
第5部 国家と市民社会―情報と利害をめぐる衝突(公の情報、私の利害―国家、圧力団体、情報の政治学)

著者等紹介

ブリュア,ジョン[ブリュア,ジョン][Brewer,John]
1947年生。ケンブリッジ大学シドニ・サセックス・カレジ卒業。同大学で修士号、博士号取得。母校で教鞭をとった後、1976年にイェール大学に招かれ、以後ハーヴァード大学、カリフォルニア大学ロスアンジェルス校などを経て、現在はシカゴ大学ジョン&マリオン・サリヴァン・英語/歴史学教授

大久保桂子[オオクボケイコ]
1955年生まれ。1984年慶応義塾大学大学院博士課程満期退学。現在、国学院大学文学部教授
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

MUNEKAZ

12
近世ヨーロッパの本を読んでいると、イギリス勝利の秘密みたく紹介される「財政=軍事国家」。自分の中でマジックワードにしないためにも読む。比較的弱い王権に議会の監視、弱体な封建領主と様々な要因が重なり、意図せずしてブリテン国家が周辺の欧州諸国とは異なる形の「財政=軍事国家」へと突き進む様子を、鮮やかに描いている。なんとなく関税と国債による資金調達が重要なのかなと思っていたが、消費税などの間接税の割合が大きいのは意外。またその税を徴収するための徴税機構の発達も描かれており、官僚制の発達史としてもおもしろい。2020/08/12

ウラー

4
イギリスとフランスを比較し、経済的に劣っていたイギリスがフランスと互角の戦争を遂行できた理由を考えるところが興味深かった。イギリスには統一的な議会があり、ウエストミンスター議会が承認すれば、徴税を正当化できた。一方フランスは各地の領主や議会が伝統的に課税に関して影響力をもっており、全国統一の課税ができなかった。それゆえ効率的な徴税もできなかった。また、国王が短期的な財源を得るために官職売買を繰り返した結果、(ろくに働かない)公務員の人数が過大になり、給料や年金支払いが財政を圧迫した。2016/03/13

ぼん

3
大学のレポートで参考にするために読み始めたが、面白すぎて途中からレポート関係なしに読み進めた。内容はもちろんだが、ちょうどいい薄さ、わかりやすい文章という読みやすさの面でも非常に高く評価できる。 大まかな内容は、第二次百年戦争の戦費を負担できたのは当時のイギリスの財政基盤がしっかりしていたからだというものだ。また、消費税役人になるには試験があり、それに受かるには14ヶ月も勉強しないと受かれないと書いてあって日本の大学受験よりもきついんじゃないかと思った。 とにかく面白かった。間違いなく名著だと思う。2021/12/30

hurosinki

1
軍事的インフラストラクチャー(港湾、要塞、兵舎など)の建設と、それがもたらす恒常的な軍事力の維持・拡大の必要性は、莫大な財政的圧力を近世ヨーロッパ諸国にかけた。これに対応する方策として、高度に中央集権的な行政が構築された。これらの国家は、旧来のエリートの影響から独立し、より大規模かつ洗練された、中央集権型の財務・軍務に関する行政機構を発展させ、新たに専門的なスタッフを抱えるようになった。こうした国家の形態を財政=軍事国家と言い、イングランドは名誉革命以降の20年余りの政治的混乱のなかでそれを形成した。2020/04/28

日系フサリア人

1
近世イングランドについての話。どのように借入・課税を行い予算を確保したかという話が中心。終盤、圧力団体についての記述もある。始めは議員に対して行っていた活動が、次第に社会・世論に向けて行われ始め、議会の外から議会を動かすようになるといった話。2017/08/19

外部のウェブサイトに移動します

よろしければ下記URLをクリックしてください。

https://bookmeter.com/books/86396
  • ご注意事項