出版社内容情報
戦後日米外交の焦点となり、今日なお日米関係の棘となっている沖縄問題の原点を、政治・外交史
の分野からはじめて包括的に解明した画期的成果。戦後沖縄の運命を決定づけた講和条約第3条
とは何であったのか? 信頼の置ける記述により沖縄問題への確かな視点を示す。(著者は本書にも
収載の「サンフランシスコ講和条約と沖縄の処理―「潜在主権」をめぐる吉田・ダレスの「交渉」」に
より読売論壇新人賞最優秀賞を受賞。)≪第25回サントリー学芸賞受賞≫≪第15回アジア・太平洋賞特別賞受賞≫
目次:
第1章 沖縄問題への視座
第2章 沖縄をめぐる戦略的議論 1942-1946
―国家安全保障の模索―
戦後構想の開始/JCS570シリーズと戦後の軍事基地構想 他
第3章 米国国務省の戦後計画と沖縄 1942-1946
―「領土不拡大」原則の実現へ―
戦中期の国務省と初期戦後計画/国務省の政策形成開始とマスラ
ンド報告/カイロ宣言の解釈をめぐって 他
第4章 SWNCCでの沖縄に関する議論 1945-1947
―信託統治問題をめぐる対立と交渉―
太平洋諸島に関するコンセンサスの模索/軍事的考慮による信託
統治案/国務省の立場/トルーマン声明 他
第5章
内容説明
沖縄はいかにして戦後問題の集約点となったのか?日米の関係者へのインタビューや膨大な新資料に基づき、戦後沖縄の地位を決定付けた講和条約第三条の形成過程をはじめて本格的に解明、沖縄問題を考える確かな視点を示す。
目次
第1章 沖縄問題への視座
第2章 沖縄をめぐる戦略的議論一九四二‐一九四六―国家安全保障の模索
第3章 米国国務省の戦後計画と沖縄一九四二‐一九四六―「領土不拡大」原則の実現へ
第4章 SWNCCでの沖縄に関する議論一九四五‐一九四七―信託統治問題をめぐる対立と交渉
第5章 日本政府の講和条約準備作業と沖縄の地位に関する見解一九四五‐一九四八
第6章 米国政府内の沖縄政策の形成―NSC一三の成立一九四七‐一九四九
第7章 対日講和条約と第三条一九四九‐一九五一―米国の戦略と日本の要請、そして国際承認の問題
終章 第三条の限界―批准と「実際的措置」への逃避
著者等紹介
エルドリッヂ,ロバート・D.[エルドリッヂ,ロバートD.][Eldridge,Robert D.]
1968年、米国ニュージャージー州に生まれる。1990年、米国バージニア州リンチバーグ大学国際関係学部卒業。1999年、神戸大学大学院法学研究科(日本政治外交史)博士課程修了(政治学博士)。同年、「サンフランシスコ講和条約と沖縄の処理―『潜在主権』をめぐる吉田・ダレスの『交渉』」により読売論壇新人賞最優秀賞を受賞。サントリー文化財団フェロー、平和・安全保障研究所研究員などを経て、現在大阪大学大学院国際公共政策研究科助教授
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