彼らの物語―日本近代文学とジェンダー

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彼らの物語―日本近代文学とジェンダー

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  • サイズ B6判/ページ数 314,/高さ 20cm
  • 商品コード 9784815803421
  • NDC分類 910.26
  • Cコード C3095

出版社内容情報

文学はどのようにして「男の仕事」となったのか。――明治三〇年代から大
正期にかけて近代文学が自立してゆく過程は、文学という領域が新たな構造の
もとにジェンダー化してゆくプロセスでもあった。本書は、ホモソーシャルな
読者共同体の成立にいたるこの転換を鮮やかに描き出すともに、そこにおける
漱石テクストの振る舞いを精緻に分析する。
目次:
序章 隠喩としてのジェンダー [第Ⅰ部] 「文学」と読者共同体 第1章 境
界としての女性読者-<<読まない読者>>から<<読めない読者>>へ-/第2章
「作家」という職業-女性読者の抽象的排除-/第3章 書くことと読むこと
におけるジェンダー [第Ⅱ部] 男と男-語られる「女」語られない「女」
-/第4章 『虞美人草』-藤尾と悲恋/第5章 『三四郎』-美禰子と<謎>
-/第6章 『行人』―二郎と一郎- [第Ⅲ部] ホモソーシャルな読者共同
体 第7章 『こゝろ』的三角形の再生産/第8章 逆転した『こゝろ』的三
角形 [第Ⅳ部] 男と女-可能性としての「女」- 第9章 『こゝろ』-レ
トリックとしての「恋」-/第10章 『明暗』-<嘘>の物語・三角形の変異体-

内容説明

文学はどのようにして「男の仕事」となったのか。日本近代文学の自立過程は、そのジェンダー化のプロセスでもあった。ホモソーシャルな読者共同体の成立にいたる転換を鮮やかに描き出すとともに、そこにおける漱石テクストの振る舞いを精緻に分析。

目次

序章 隠喩としてのジェンダー
第1章 境界としての女性読者―『読まない読者』から『読めない読者』へ
第2章 「作家」という職業―女性読者の抽象的排除
第3章 書くことと読むことにおけるジェンダー
第4章 『虞美人草』―藤尾と悲恋
第5章 『三四郎』―美弥子と「謎」
第6章 『行人』―二郎と一郎
第7章 『こゝろ』的三角形の再生産
第8章 逆転した『こゝろ』的三角形
第9章 『こゝろ』―レトリックとしての「恋」
第10章 『明暗』―「嘘」の物語・三角形の変異体

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

内島菫

33
本書は、「作品を面白くすること」「作家を称揚すること」は、「作品を読み解くこと」とは必ずしも一致しないという、いわば批評をする上での前提となる態度の洗い直しから始めている。洗い直しが必要になるのは、読者をも巻き込んだ制度がそこに存在しているからであり、著者は分析の対象である文学作品だけでなく、先行論文を通して文学研究の分野自体が何にどっぽりつかっているのかをも読み明かそうとする。2017/08/23

take0

20
1998年刊。明治三十年代から大正中期までを範囲として、日本の近代文学におけるジェンダー構造について、夏目漱石のテクストを中心に論じている。明治三十年代において「家庭小説」という文学ジャンルが家庭的、道徳的なものとして家庭で女性も読めるものであるが故に通俗的と解され、芸術的な価値を持つ小説に対し低位に位置付けられ、家庭的=通俗的=女性性、芸術的=高尚的=男性性というジェンダー化が形成され、『虞美人草』のヒロインの自死が家庭小説のジェンダー化と関連しているという考察を始め、興味深い内容だった。2019/01/09

きつね

4
何度読んでもほれぼれする2014/11/22

hasegawa noboru

3
汗牛充棟の漱石研究書についていけていたのは、三好行雄や越智治雄の存在論的倫理的作品論の時代までのことかな。本書は記号論、構造主義とフェミニズム批評が導入された80年代半ば以降の漱石テキスト研究の新段階を示すその一冊だということになろう。と言っても’98年初版発行の本だからすでに20年も経過しているわけで、私の遅ればせ。漱石三角形における女性の排除。『こころ』的三角形において語られるのは、ホモセクシャルを疑わせるほどのホモソーシャルな〈男と男〉の問題であって、「恋愛」はレトリックとして使われるのみ!?2018/12/14

なめこ

3
小説に書かれた人物のジェンダー分析でもなく、女の小説の称揚でもなく、エクリチュールそれ自体のジェンダー分析でもなく、読み手と書き手の出会う文学という場所がどのようにジェンダー化されているのか、あるいはそこでジェンダーがどのように作用しているのかということを巡る評論集であり、日本の近代文学がその黎明期からいかにして自身の芸術性を獲得し、それとともに男ジェンダーを身につけていったのかという経緯が非常に興味深い。翻って、現在の読者共同体とは、そもそも読者共同体は成立しているのかということなど、考えてたくなる。2015/12/13

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